「わが子を世界に羽ばたく、グローバルリーダーに育てたい」。そんなパパ&ママ達の野望をよく耳にします。グローバルで通用する力を子どもにどう養えばいいのか。翻って、グローバルでご活躍中のビジネスエグゼクティブは子ども時代にどんな教育を受けてきたのでしょうか。リーダーの資質はどこで育まれたのでしょうか。親の成功体験は子どもにどんな影響を及ぼすものなのでしょうか。パパ&ママが気になる素朴な疑問を、日ごろからエグゼクティブビジネスリーダーと接する機会の多い阪部哲也さんが、二児のパパとして、先輩パパにインタビューしていきます。今回のゲストは、20~30代のグローバルリーダー育成をテーマとした一般社団法人「久野塾」塾長、そして、企業幹部のエグゼクティブコーチを務める久野正人さん。「インター校は実は、極めて均質化された世界?」に続く、後編です。

久野正人さん

慶應大学卒業。古河電気工業株式会社入社。在籍中、ブラジルサンパウロに駐在。その後、日本サン・マイクロシステムズ、日本シリコングラフィックスを経て、2000年、ベックマン・コールター株式会社入社。CFO、事業部長を経て、代表取締社長就任。2012年、独立。現在、株式会社エム・シー・ジー代表取締役。エグゼクティブコーチ、一般社団法人「久野塾」代表理事・塾長。世界的大企業の名経営者をコーチしたことで知られる、コーチングの神様、マーシャル・ゴールドスミスを師と仰ぎ、人事関連サイト「日本の人事部」が選ぶ「2014 HRアワード」の書籍部門にノミネートされた『リーダーシップ・マスター』(英治出版)の監訳、『世界基準 8つの動き』(ぜんにちパブリッシング)など。

阪部 エグゼクティブエリートとしてグローバルにご活躍されてきた久野さんが、ご両親からどんな影響を受けて育ってこられたのか、とても興味があります。ご自身の子ども時代のことを少しお聞かせ願えますか?

久野正人さん(以下、敬称略) 私は福岡出身です。子ども時代は、都市部にさえ、まだ戦後の匂いが残っていました。地方都市では、よりその色が濃かったですね。混沌としていたし、「いろんな人がいたな」という感じで、まさにダイバーシティーそのものだったと記憶しています。

 父親は銀行員でいわゆる九州男児を地で行くような男でした。子どものころはぜいたくこそしませんでしたが、比較的裕福な環境で育てられたと思います。しかしその後、父親は銀行を辞め、共同経営を始めた会社を倒産させてしまいます。私が大学生のころでした。

 当時の私は外交官になりたくて本気で勉強していましたが、家庭の事情で諦めざるを得なかった。その頓挫は精神的にきつかったですね。ある意味、自分にとっての最初の修羅場だったかもしれません。

子育て中の今、「ご自分の未来に焦点を当てていますか?」

株式会社エム・シー・ジー代表取締役・久野正人さん
株式会社エム・シー・ジー代表取締役・久野正人さん

阪部 お父様もまた久野さんと同じように仕事人間であり、いつも忙しくしていらしたんですね。最近は共働き夫婦が多く、子育てや家事を妻と分担する、いわゆる「イクメン」が注目されています。こうしたイクメン達に久野さんから何かアドバイスはありますか?

久野 子育てに関しては、妻に任せきりでしたのでDUALの読者に対してアドバイスできる立場だとは思っていません。ただ、少し視点を変えてお尋ねしたいことがあります。

 父親であり母親である自分達を“キャッシュマシーン”という側面から見た場合、自分達に今どれだけの価値をつけられるでしょうか?

 言い方を変えると、皆さんは現状どのくらい「自己投資」をしているでしょうか? 夫であれば妻に、妻であれば夫に「自分への投資」はどの程度、許可しますか? 金銭的な意味ばかりではなく、時間を含めた自己投資です。

 親としてはつい、子どもに一番お金をかけてしまいがちですが、考えてみれば、子どもの教育費もすべてキャッシュマシーン(親の収入)から捻出されるわけですから、稼ぎ手として価値を上げ、ポジションなり給与なりを上げていくためには自己投資が必要です。子どもにいい教育をさせたいと願えば、やはりいい機会を与えるにも、塾に通わせるにもお金がかかります。

次ページから読める内容

  • 時間をかけて培った自分の価値も、3年経てばゼロになる
  • 未来のポートフォリオを夫婦でコミットし、描く

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