育児と仕事を両立しようとしているママ&パパの皆さん、大ピンチの波に飲み込まれそうになってどうしようもなくなったとき、誰か一人でも、そっと支えてくれる人はいるでしょうか? たとえ今いなくて、「頼れるのは保育園(幼稚園)か学童だけ」という人でも大丈夫。動き続ければ、きっと自分のことを理解し、寄り添ってくれる人と出会えるはずです。ポイントはあきらめないこと。今回はファミリーサポート(ファミサポさん)に注目し、3つの記事を掲載します。初回は、ファミサポさんの力をうまく借りて仕事と育児の両立に励むママから話を伺いました。

槙田 あずみさん

ANA客室センター、客室乗務部。1987年、ANAに客室乗務員として入社。国際線を中心に乗務しながら、安全推進・教育・オペレーションの地上勤務にも携わる。2004年に出産し、2005年、子どもが1歳3カ月のときに職場復帰。2008年より管理職。2011年、人事部いきいき推進室でダイバーシティ推進、ANA's Way推進を担当。2015年より現職。小学6年生の子どもと夫の3人家族。子どもは2歳のときに認定保育室へ入園、3歳で認可保育園に転園した。

CAの仕事。妊娠が分かるとすぐ休職へ

日経DUAL編集部 客室乗務員(CA)の方は、妊娠が分かると、出産休暇までどのような流れになるのでしょうか?

槙田さん(以下、敬称略) 私は新卒で入社してから国際線のCAとして働いていました。チーフパーサーとして責任ある仕事をし、ちょうど同期が管理職になり始めたころに妊娠、そして出産。懐妊・育児休業は1年10カ月取得しました。これは他業種と比べると長いほうかもしれません。弊社では全社員の半数以上が女性で、その8割近くがCAです。業務の特性上、妊娠が分かった直後から休暇を取ることができるようになっています。

―― 管理職への昇進を控えた時期の妊娠・出産に、何か焦りはありましたか?

槙田 いいえ、職場では産後も仕事を続ける女性が大勢おり、今は社員の5~6人に1人は働くママなんです。管理職ママもたくさんいます。国際線のCAで3人の子どもを育てている方や、過去には親子でCAをしている方もいます。そういう意味ではロールモデルに恵まれた環境なので、両立は「なんとかなる」と自然と思えましたし、実際、育休後も復帰して当然だと考えることができました。

 娘が生まれてからは、子どもを最優先に考えるようになり、「管理職に就くのは自分には無理じゃないか」と思ったこともありました。でも、当時の上司が「これからは子育てしながら働き続ける人がもっと増えるから、管理職になって制度や職場風土を変えていく立場になったほうがよい」と背中を押してくれたのです。

 そして、娘が1歳3カ月で復職し、半年から1年くらいの間は、自分自身の仕事の感覚や体力を戻すのに必死で。育児という大仕事もあって、もう当時のことはあまり記憶がないほど忙しい日々を過ごしました。その後、娘が4歳のときに初めての管理職に就くことになります。