国務大臣として女性活躍、少子化対策、男女共同参画などを担当し、自らもワーキングマザーとして活躍中の有村治子大臣。2人のお子さんのママとしての等身大の姿も包み隠さず話してくださいました。同じワーママとして勇気づけられる言葉が続きます。

第一回「有村大臣 妻産後の男性の休暇「8割」は可能?
第二回「有村大臣 戦略的意思決定と交渉力が女性に必要」

<プロフィール>

ありむら・はるこ 1970年生まれ。女性活躍・行政改革・国家公務員制度担当大臣、内閣府特命担当大臣(規制改革・少子化対策・男女共同参画)。ICU国際基督教大学を卒業後、米国SIT大学院に留学・修士課程修了。日本マクドナルド勤務を経て、30歳で青山学院大学大学院博士課程に在籍中の平成13年、参議院選挙比例代表(全国区)にて初当選。文部科学大臣政務官、歴代最も若い自民党女性局長、参議院環境委員長を歴任し、現在参議院3期目。家族は鉄道会社に勤める夫と小学生・保育園児の子ども2人。

長期的なWINを考えると「休むのも仕事。寝るのも仕事」

羽生編集長(以下、羽生) 今回は、ぜひ有村大臣のワーキングマザーとしての素顔をうかがいたいと思っています。大変お忙しいはずなのに、いつもお元気でお肌もつやつやでいらっしゃいますよね。

有村大臣(以下、大臣) そんな「よいしょ!」していただいても!(笑)。一人目の出産時は33歳で、二人目の出産が39歳、どちらも常に全国を走り回る議会人として育児休暇は取れませんでしたから、正直、体力的にも相当厳しかった。

 それはもう、四苦八苦しました。私は全国区で10年以上議席をお預かりしていましたから、20~21時まで仕事をして、それから新幹線に乗って、目的地に夜中に着いて、週末は昼夜もなく全国を走り回っていました。

 でも40歳になると、今日踏ん張ればいいという話ではなくなります。持続可能性が大事ですよね。毎朝スタートラインに常に立たなければならないという中で、心と体を「臨戦態勢」に整えなければなりません。家族、応援して下さる全国の有権者、上司部下の関係、いろいろな関係があります。そこでようやく、「休むのも仕事。寝るのも仕事」とわかりました。そうしたことを犠牲にすれば短期に結果が出るかもしれないけど、長期的なウィン(WIN)を考えると、そうじゃないだろうと気がつきました。

有村家も「共働きで子どもの寝る時間が遅いのが心苦しい」

羽生 最近は、早くご帰宅されるときもあるのでしょうか。わが家はシッターさん3人に短時間ですが入れ替わり立ち代わりお願いしてなんとか乗り切っています。

大臣  国家公務員制度担当として朝型勤務と夕方の定時退庁を促す「ゆう活」を進めています(※)。日の出の早い7~8月は1~2時間出勤を早めて早く帰る習慣を、公務員の働き方改革の一環で進めています。(※取材は8月中旬に実施)

 下の子は保育園に通っていますが、私自身がお迎えに行けることはほとんどありません。やはり、大臣として「ちょっと、お迎えがあるのでこの会議は切り上げます」と言うわけにはいかないので、夫が担当です。共働きだと子ども達のお風呂や就寝時間が遅くなってしまうことが心苦しいところです。

羽生 本当に。お風呂が遅くなると寝る時間も遅くなってしまうんです。読者のみなさんも、そこは悩みどころだと思います。

大臣 ただ、仕事場と家庭との気持ちの切り替えを大事にしていて、ここにいるときは仕事人と思っています。切り替えをいかに上手くするかも働くママの必須スキルかもしれませんね。

「オンとオフの切り替えは大事。ここ(大臣室)に来たら仕事に集中します」
「オンとオフの切り替えは大事。ここ(大臣室)に来たら仕事に集中します」

羽生 有村大臣も私たちと同じような経験をしながら活躍していらっしゃるんだと思うと、勇気づけられます。