20歳からつけている「心のノート」に支えられています

羽生 大変お忙しい毎日ですが、ほかに気をつけていらっしゃることはありますか?

大臣 働くママはライフスタイルの変動がすごい。だから、キーワードは「平準化」です。できているかどうかはさておき、私もそこを目指しています。繁忙期を平準化していくこともそうですし、楽しいとき苦しいときの心の平準化も大事です。ストレスの平準化もするといいですね。そのために、私は、「心のノート」というものを20歳からつけています。

20歳の頃からの心の声が刻まれている分厚いノート
20歳の頃からの心の声が刻まれている分厚いノート

羽生 わあ! 持って来てくださったんですね。今日は「心のノート」について伺いたいと考えていました。ぎっしりと書き込まれていますね。中を拝見してもいいですか?

大臣 中はナイショにさせてください!(笑) これは、誰にも見せないということを前提にしているから自由に書き込めるんです。このノートには、私が感動した言葉や気が付いたこと、ものの見方などを書き込んだり、送っていただいたお手紙を挟んでいます。

 コップに半分水が入っているとき、もう半分しかないと思うか、まだ半分もあると思うか。無くなった分に注目するのか、まだある部分に注目するのかで随分、認識やその後の対応も変わってきますよね。失敗したときに、「ドンマイ」と声をかけるのか、「ネクストチャンス」と声をかけるのか。そうした認識やものの見方、解釈のパターンは心のノートで何度も学びます。

羽生 自分の心を客観的に分析するんですね。ほかにはどんなことが書かれているのですか? ちょっとだけ読み上げていただけないでしょうか。

大臣 そうですね……(ノートをめくる)。例えば、これは24歳のときに誰かが残した名言を書いたものですね。

「問題をうまく提起できたら、半分解決したようなものだ」
「人生で一番重要な売り込みは、自分を自分に売り込むことである」
「余分に持ち過ぎているということもある。時計を1個持っている者は何時か分かっているが、2個持っている者にははっきりしない」
 3時5分と3時8分だったらどっちが正しいか分からないですよね。足るを知るということなのでしょう。なかなか面白いでしょう? 本で読んだり人に聞いたりしたことで、心に残ったことを書き留めてあるんです。

羽生 あと、誕生日に目標を書いていらっしゃると聞きました。

大臣 よくご存知ですね。毎年、9月の誕生日に年齢の数だけ、その年にやりたいことを目標に書いてきました。今(平成27年8月時点)、44歳なので44のリストを書いてあります。それをいつも見るようにしていて、1年経って、うまくいったら○、うまくいかなければ△や×をつけるんです。

 例えば、「留学したい」「夫となるべき人に出会う」とかね。健康編、キャリア編、生活編に分けて書いています。そうすると、そのときの自分が何に一生懸命だったのか、何に悩んでいたのかということが分かりますから、2~3年たったら「なんだ、越えて来たじゃん」とか、「あの男性を追いかける」と書いていたけど、どうでもよくなってるなとか(笑)。

羽生 目標がどんどん増えていくんですね。

「子どもからのメッセージもノートに挟んで大切にしまっています」
「子どもからのメッセージもノートに挟んで大切にしまっています」

大臣 80歳になったら、「孫とスポーツをする」「煎餅を入れ歯無しで食べる」とか書くことになりますか…。目標は、より正確に輪郭が描けるということが大事なんです。

羽生 誰にも見せないというところがポイントなのでしょうね。

大臣 夫もこのノートの存在は知っているけど、見たことはありません。こんなこと人に聞かれたら恥ずかしいなということも、失敗してしまったことも書くわけです。それで、今度はこんなふうに対応すればうまくいくかもしれないとか。これはもう価格がつけられません。私の宝物です。