子どもを育てながら夫婦ともに働いている横浜のMさんご夫妻は、子どもが保育園に入るタイミングで横浜に新居を構えました。その新居には、忙しい生活の中で家事や子育てを効率よく行うための様々な工夫が施されています。
 いくつかのポイントを押さえることで住宅は暮らしやすくなり毎日の生活にも余裕が生まれます。今回はMさん宅を実際に訪れ、「働きながら子育てをする」ことを念頭に作られた住宅を、収納を中心に、見せていただきました。そこで見えてきたDUAL世帯にふさわしい家造りとは?

一番気持ちのいいところに収納技ありセパレートキッチン

 子どもの誕生をきっかけに家造りを考え始めたというMさん宅は、高台の中腹にあり、オーバーハングした濃いグレーの壁と縦長の窓が3つ並ぶ外観が印象的だ。日当たりを重視して2階に設置したLDKに、さっそく上がらせてもらった。

今回、取材に協力していただいたMさんご一家
今回、取材に協力していただいたMさんご一家

高台の中腹という立地を考慮し、日当たりの良い2階に設置されたLDK
高台の中腹という立地を考慮し、日当たりの良い2階に設置されたLDK

 LDKに入ると、まず広々としたキッチンスペースが目に入る。シンクのあるカウンターはアイランドタイプだが、コンロは壁側のカウンターに設置されている今流行のセパレートキッチンだ。シンクにはダイニングテーブルが横付けされ、さらにその横はリビングが配置されているワンルームタイプの開放的なLDKになっている。キッチン側にある縦長の窓からは高台の眺めが広がり、「窓を開けると心地いい風が通ります」とご主人。

リビングとつながるキッチンスペース。シンクはダイニングテーブルと一体になったアイランドタイプだが、コンロをはじめとした調理器具は壁側のカウンターに設置され、換気扇が目立たなくなりスッキリ
リビングとつながるキッチンスペース。シンクはダイニングテーブルと一体になったアイランドタイプだが、コンロをはじめとした調理器具は壁側のカウンターに設置され、換気扇が目立たなくなりスッキリ

 壁側のカウンターの周囲には、収納棚や引き出しがたっぷり用意されている。さぞかし食器がたくさんしまってあるのだろうと思いきや、意外にも普段使いの食器はトール収納の真ん中の3段の棚に収まるという。

Mさん宅のトール収納の使い分け。使用頻度の低い季節の食器類を一番上の棚にしまい、頻度の高い日常の食器は手が伸ばしやすい真ん中の棚に入れている
Mさん宅のトール収納の使い分け。使用頻度の低い季節の食器類を一番上の棚にしまい、頻度の高い日常の食器は手が伸ばしやすい真ん中の棚に入れている

 棚の下にはスプーンやフォークなどカトラリー類を入れる引き出しがあり、上の棚には重箱など季節の食器類がしまわれている。

 さらに一番下はキャスター付きのごみ箱を隠してしまえるスペースだ。キッチンの中でも場所をとるごみ箱置き場だが、使いたいときは手前まで引き出して、使わないときはこのように扉で隠してしまえば収納の一部にしか見えず、見た目もスッキリする。

トール収納の一番下にはごみ箱が隠れている。すぐ手の届く場所にあるのに普段は目立たない
トール収納の一番下にはごみ箱が隠れている。すぐ手の届く場所にあるのに普段は目立たない