働く私に対する礼夢の思いを知って……、うれしかった

 そして、私はシングルマザーになりました。持ち前の「なんくるないさー」精神と、母として仕事を頑張る覚悟と、「息子を絶対に悲しませない」という決意とともに親子二人の生活が始まりました。

 今、仕事で遅くなる日は礼夢を母などに託し、礼夢には手紙を置いて出かけます。

 少し前、仕事で遅くなった日の翌朝、テーブルにこんなお返事がありました。

 〈ママ、お仕事ごくろうさまです。僕はとってもうれしいです〉

 「ね、礼夢、“うれしい”って、どういうこと?」と聞くと、「ママが頑張ってるのを見るのがうれしい」って。その言葉を聞いたとき、今まで悩みながらも仕事を続けてきたことが間違っていなかったんだよと言われた気がして、私のほうまでうれしくなりました。

 仕事をしていると、子どもと過ごす時間が短くて申し訳ないなと思っていたし、そのことを悩んでいるママ友もたくさんいます。でも、一緒に過ごす時間の長さが問題じゃないのかもしれませんね。一緒に過ごす時間が短くても、どれだけそこに親の思いがあるか、なのでしょうね。

 一緒にいるときは「大好きだよ」って言葉で伝えるし、離れて過ごしているときはLINEなどで会話もします。そのときに気を付けていることは、彼がそのときに楽しんでいることをとにかく褒めてあげること。

 例えば、ゲームは“長時間やらせたくない”ものの代表例ですが、もしそのときに礼夢がゲームに夢中になっていたのなら、「すごいじゃん、ゲーム頑張って!」と伝えるんです。「宿題頑張ってね」より「ゲーム頑張ってね」のほうが子どもはうれしいかなと思うから。もちろん、その後に「宿題もね!」と釘は刺しますが(笑)。