夫婦共働きだと、きっちり家計簿をつけてやりくりしなくても、毎月なんとかなってしまうもの。そうやって別財布でユルくやっていると、気が付いたときには貯金ができていない、というケースも少なくありません。夫婦が互いの性格を生かして計画的に貯蓄をしていきたいものです。その方法をファイナンシャル・プランナーの花輪陽子さんがお教えします。

浪費は女性だけの得意技ではない

 ファイナンシャル・プランナー(FP)の花輪陽子です。夫婦共働きでお互いに忙しく働いていると家計管理をする時間がなかなかとれないものです。別財布にしていてお互いの収入、支出、貯金額などを全く把握していない夫婦も多いものです。しかし、ここに思わぬ落とし穴があります。「パートナーの貯金がゼロだった」――こんな声を最近よく聞くのです。

 女性が化粧品や洋服に散財してしまうというのは、よく聞くと思います。でも、外見も地味で派手なことをしているように見えない夫が、自分の収入を全部使い切っているということも実は少なくありません。

夫が散財する理由は「飲み」と「趣味」

 何に使っているかというと、その多くは飲食代や趣味代などです。飲み代は侮れません。1回当たりの金額が5000円だとしても月10回で5万円になります。物として残るわけではないので浪費に気づきにくいのです。

 趣味に関しては、カメラやデジタルガジェットを買うのが好き、フィギュアなどを集めるのが好き、洋服や靴にお金をかける、アウトドアや旅行が好きといったことが考えられ、これら複数の組み合わせの場合もあります。洋服やデジタル機器などは買えば目に付きやすいですが、本人の趣味嗜好で収集している物の場合は意外に気づきにくく、「まさかそんなに使っていたとは」ということになりがちです。

 夫婦共働きで収入が多いのですから、本来はためやすいはずです。ためているカップルは、片方の収入のほとんどを貯蓄に回しています。他方で無計画な共働き夫婦は、共働きの年数に関係なく貯金ゼロだったり、貯金額が非常に少なかったりします。同じ収入でも数年間で1000万円以上も貯金額に差が出てきます。両者の違いは貯蓄計画や家計管理をしているかどうかです。

 では、忙しい共働き夫婦はどうやって日々の家計管理を行えばよいのでしょうか。収入源が1つなら、1つの口座を2人でやりくりすればよいので楽ですが、収入源が2つになると管理は複雑になります。そのうえ、お互いにクレジットカードを使っていると後払いになるのでますます家計を把握しづらくなります。