「小学校受験で一番大事なのは、夫婦できちんと子どもの教育方針について話し合うことです。わが子に合った教育や環境とはどんなものなのか、どんな子どもに育ってほしいのか、そのためにどんな教育や環境を整えてあげたいのか、どんな経験を積んでいってほしいのか……。学校選びが最も重要です。そして受験時には面接などで、学校側から聞かれることでもあります。そのときに、夫婦でちゃんと意見が共有できていることが小学校受験の成功の鍵と言っても過言ではありません

 こうした子どもの教育方針は、小学校受験をしないとしても夫婦で話し合っておくべき基本的なことだろう。しかしながら、本当にちゃんと夫婦でこうした考えを普段から共有できている人はどれだけいるだろうか? 小学校受験は、夫婦で子育てについて改めてきちんと向き合って話すきっかけを与えてくれるのかもしれない。

 気になる学校がいくつか名前が挙がってきたら、学校説明会や学校見学などに実際に足を運んでみよう。

 「学校に行くことで施設だけでなく、先生達の雰囲気も見ることができます。学校によっては授業や行事を見学できるところもあるので、そういう機会は実際に通っている子ども達の雰囲気を知るのにいい機会です。ぜひ行ってみてください。また、説明会は保護者のみで行くことも多いかもしれませんが、機会があればぜひお子さんも連れていってあげてください。行ってみることで、子ども自身が学校の雰囲気を感じとります。まだ幼くても、本人だからこそ分かること、感じることがあるので、特に受ける予定の学校には必ず一度は一緒に連れていくようにしましょう」

 今や小学校受験は、特別なことではなくなった。わが子に合う学校の選択肢を広げるという意味で、まずは身近にある学校や名前を聞いたことのある学校を調べてみるといいかもしれない。調べたうえで、受験するかしないか経済的なことも含めて、改めて夫婦で話し合うのも、子育てへの思いを共有するいいきっかけになるだろう。

 そして、いざ受けよう! と決めたら準備することを、次回は紹介します。

※データはすべて、専門サイト「お受験じょうほう」調べ

(取材・文/岩辺みどり イメージ写真/鈴木愛子)