野倉さんは、私立や国立の小学校に入れる魅力をこう説明する。

 「私立小学校には、それぞれ明確な建学の精神、学校方針や教育理念があり、学校のカラーがはっきりしています。カリキュラムも先生方もそれに合わせた教育を提供していますので、一定の質や内容が確保できるというところが一番の魅力です。私立小学校では、先生方も長きに渡って勤めるため、親子二代で同じ先生に教わるなんていうことも珍しくありません。先生が数年で移動になる公立に比べれば、一カ所に腰を据えてじっくり教育に携わっている先生方がいるのは、心強いですよね。国立も、私立ほどではなくても長く勤めている先生が多くいます」

 先生の質が担保できることを安心材料と考える親が多い背景には、やはり公立校で起こり得る様々なトラブルを避けるためのリスクヘッジとしての見方が強いようだ。私立の先生は20年、30年その学校で勤めていることも多く、学校の教育方針をしっかりと理解し、それに沿った教育を提供できる。一カ所に長くいることによって、専門分野の最新事情や教授法、教材を熱心に研究していたり、子ども達を6~12年間じっくり見るゆとりや経験が備わっていたりすることが多く、それも安心材料の一つだろう。

 もちろん懸念されているような問題が起きているのは、ほんの一部の公立校にすぎないが、それでも先生の異動が多かったり、その年の学年、クラス、先生の雰囲気などで大きく学校生活が左右されたりする可能性のある公立校を不安に思う保護者が、私立を選択肢に入れることは増えている。

 さらに、宗教教育をはじめとする個性ある教育が受けられるのも、私立の魅力だ。

 「例えば、グローバル化が進むこれからの世代は、キリスト教の礼拝などの習慣を知っておいた方がいいです。人々の文化や思想に大きく影響してきますから、幼少期のうちに身近に接しておくことは、日本(人)を知るうえでも重要なことだと思います。学校側も保護者が自校の宗教を信仰していなくても、ご家族が受け入れ、理解していれば、特に合否に問題ない場合がほとんどです。また、宗教教育以外にも、小1からの英語、短期留学や自然教育など個性ある教育を提供する学校が多くあります」(野倉さん)

 学校ごとの方針やカラーを見て回ると、家庭の子育て方針やその子の個性と合う学校が見つけられる可能性は、高いだろう。

 「また、そういった学校の方針やカラーに賛同して入学させる親が集まるため、同じような考えや環境で育った子ども達が集まる傾向は高いでしょう。同質な人が集まることへの社会経験の疎さは懸念されるところではありますが、やはり長く付き合える友達が見つかる可能性が高いとは言えるでしょうね。一生の友が見つかる。そこが私立の最も魅力的なところです

共働きって不利になるの?

 教育や行事などにもしっかりと力を入れている私立校は、保護者の出番も比較的多い。教育熱心な学校は、親にも学校や子どもの教育に熱心に関わることを望むのも不思議ではない。PTA活動や奉仕活動、行事などが平日に入ることもあるだろう。

 そういった理由から、公言していた学校があるわけではないが、以前は保育園出身の子どもや母親が働いている家庭は煙たがられるといった噂が当たり前のように伝えられていた。