子どもの言葉に振り回されてちゃダメね

 ママじゃなきゃだめ、パパじゃなきゃだめ、なんていう子どもの言葉に振り回されちゃいけない。子どもは頑なと思いきや、実は柔軟。親の出方次第で気持ちは変わるもの。体操教室でママの前でいいところ見せたくて過去最高のパフォーマンスができちゃったのは、たまたまママの付き添いというサプライズが功を奏しただけのこと。「パパと寝る~」ブームがどこから来たかと思えば、どうやら夫が虎の頭をかいてやるその具合がとても気持ちよくて睡眠導入しやすいということだと後に発覚した。

 まぁ、その程度のことだ。でも、その程度のことで変われるってスゴイことだ。

 それより、その変化に付いていけない親のほうが問題かもしれない。この子はこうだと思っていたことが裏切られると、親のほうが動転したり、悲しんで危うく涙したり、悔しがったりしてバタバタしてしまう。まだまだ子どもだと思っていたのに、子どものほうは実は親が思っているよりずっとずっと大人になっていたりするのだ、きっと。

 いつか虎に何か生意気なことを言われたりしたら、「誰が育ててやったと思ってるのよ」とか恩着せがましく言ってしまいそうだ。マズイ。見返りを期待して育てているわけじゃなくて、独り立ちしてほしいから育てているということを、忘れてしまいそう。これが、子離れできない親ってやつか?

 男の子ママの先輩からは「いつか『うるせぇ、くそばばぁ』って言われる日が来るから覚悟しておいてね。でも、それが普通に成長している証しだから、めげないでね」などと言われる。こんなにかわいい天使のような息子が、悪魔のように見える日が、もちろんいつか来るのだろう。「ママ、いらない」なんていう生温い言葉ではなく、全身で拒否されるようになる日も来るのだろう。

 そのときにショックを受けて落ち込んで我を失わないように、「あぁ、来たな」くらいに受け止められるように、今から免疫をつけておかないと

夫のアトコメ

 「うるせえ、くそばばあ」ねえ。親に対して強烈な憎まれ口……というか罵声を浴びせた経験者としては、確かに男の子ってのはそんなもんなのかと思わないこともない。ただ、ちょっと考えさせられることもあって、例えばウチの弟夫婦、子どもが8人もいるのだが、誰一人として親に反抗的な態度を取ってない。

 弟に言わせると、反抗期ってのは不可避なものでもなんでもなくて、単に親の怠慢なんだとか。むむ。それからここにきて国民的な注目を集めるようになった清宮家。先日、甲子園に行ってるお兄ちゃんを除く家族と食事をする機会があったのだが、小学校6年生になる弟クンが実に愛らしいというか、「パパとママが大好きで仕方ない」っていうのがダイレクトに伝わってきた。たぶん、ここのウチも反抗期はないだろうし、罵声を発することなんぞ間違ってもなさそうだな。というわけで、免疫をつけるより、そんなものが必要のない子育てをしたいなと切望するパパなのです。

わんことプール遊びをする虎
わんことプール遊びをする虎