仕事も子育ても忙しいDUAL世帯に役立つ家電の選び方を紹介してきた「共働き『必携』家電の選び方」。今回のテーマは、「ほったらかし調理家電」です。「ほったらかし調理家電」とは、材料を入れてスイッチオンすれば、自動的に調理が完成する家電のこと。家電コーディネーターの戸井田園子さんが、2回に分けて、その人気商品と使い方を紹介していきます。

「ほったらかし調理」は、時短ではない!

──夏休みが終わって新学期が始まるこの時期、ホッとしているDUAL親も多いのではないかと思います。

 はい。ただ、新学期が始まって増える仕事もありますよね。例えば、お弁当作り。忙しい朝の時間、子どものお弁当を用意するのは大変な仕事です。そこで私がお薦めしたいのは、「ほったらかし調理家電」です。

 「ほったらかし調理家電」とは、材料を入れてスイッチを入れるだけで自動的に調理が完成する調理家電のこと。朝、お弁当を作るとき、「ほったらかし調理家電」にメインのおかず一品を任せてしまえば、後はすぐに作れるサブメニューをいくつか用意するだけでお弁当が完成します。お弁当作りの負担がぐっと軽減しますよ。

──なるほど。朝のお弁当だけでなく、夕食の準備でも活躍しそうですね。

 ただ1つ注意したいのは、「ほったらかし調理家電」は時短のために使うものではないということ。なかには電子圧力鍋のように調理時間を短くするものもありますが、ほったらかし調理家電を使うメリットはそこではありません。

 例えば、土鍋を使ってごはんを炊けば、加熱時間10分強で炊き上がります。しかし、電気炊飯器を使ってごはんを炊くと、炊き上がりまでだいたい30分~1時間。電気炊飯器を使うことで、時短どころか、調理時間は長くなっていますね。ただし土鍋でごはんを炊く場合、米の浸し時間を意識したり、加熱中はお鍋につきっきりになります。それに対し、電気炊飯器を使えば完全に手が離れます。

 このように、ほったらかし調理家電を使えば調理から手が離れるため、その時間を使って子どもと話したり、洗濯や掃除など別の家事を片付けたりすることができます。つまり、調理している時間を別の用途に使えるようになるということが、ほったらかし調理家電を使う最大の醍醐味だと私は思います。

「一汁三菜」も簡単に出来上がり!

 よく和食の基本は一汁三菜と言いますが、これは「ごはん」と「汁物」のほかに、肉や魚、卵などの「主菜」を1品、豆や野菜、海藻などの「副菜」を2品用意するということ。3口コンロの場合、一汁三菜を全てガスコンロで調理しようとすると、コンロが足りなくなってしまいます。

 しかし「ほったらかし調理家電」に「主菜」を任せてしまえば、使うコンロの口を数を減らすことができます。例えば、コンロで味噌汁を作りながら電気鍋でイワシの丸煮を調理すれば、これで「一汁一菜」。あと2品は冷奴や酢の物などにすれば、コンロは1口で済みます。

──「ほったらかし調理家電」にはどんなものがあるのか、教えてください。

 わかりました。今回は、「ほったらかし調理」初級者から中級者、上級者に向けて、5つのステップにわけて説明していきます。各ステップの調理家電については、以下のリストをご覧ください。では、この中から一番有名で、どのうちにもありそうな電子オーブンレンジから始めましょう。

STEP1 電子オーブンレンジ
STEP2 電気鍋
STEP3 ノンフライヤー&アクティフライ
STEP4 IHクッキングヒーター
STEP5 スープメーカー