大学生までにベビーシッターを200件以上経験

羽生 誰もやったことがない新しい事業を25歳という若さで始められた原点について知りたいです。大学を卒業した後に入社したのはIT系企業なんですよね。

堀江 楽天に総合職で入社し、楽天リサーチという会社に配属されました。起業するまでは、ネットを活用したマーケティングリサーチを行う仕事に打ち込んでいました。

羽生 なぜリサーチの会社に?

堀江 大学は社会福祉学科に在籍していたのですが、「すべての人が自立して輝く社会をつくりたい」という意識が漠然とあったんです。「障がい者や高齢者が満足できるサービスや商品を作れば、誰にとっても使いやすいものが生まれるはず」と考えて、一般社会に活かせるユニバーサルデザイン商品を作るマーケティングリサーチの仕事をしたいと思っていました。かつ、入社して3年でどこにでも通用するくらいの力がつけられるような若手が活躍できる文化の会社を希望していたので、いくつか内定をいただいた企業の中から楽天を選びました。

羽生 学生時代から、社会に対する関心が強かったんですか?

堀江 そうですね。ジェンダーや福祉に関するセミナーやシンポジウムに参加しては、常に活動していました。ベビーシッターは大学生までに200件以上経験しましたし、ニュージーランドの高齢者施設に1カ月間ボランティアに行ったり、長野県のグループホームに泊まり込みで行ったり、介護予防施設にも2年間通ってもいました。

羽生 かなり密にやっていらっしゃったんですね…!モラトリアム的にゆる~く遊ぶ学生とはまったく対極にあったんですね。なぜそんな意識が生まれたんですか?