学校以外の場所で子どもの個性は伸びる

―― DUAL読者には子どもに体験をさせてあげたくても、忙しくてなかなか手がまわらないというジレンマに悩む親が多くいます。

 時間やお金をかけなくても、子どもに体験させてあげられるイベントはたくさん見つけられると思います。大切なのはアンテナを張り続けることでしょうか。今では町内会のイベントなどはホームページにまとめられていることも多いですし、それを見るだけなら手間をかけずにできますよね。それこそネットをうまく使うことで、簡単に情報収集ができるはずです。

 また、子どもに体験をさせてあげることのメリットとして「学校以外の場ができる」ということも挙げられます。学校ではうまくやれなくても、別のコミュニティでは活躍できるというケースは多いはず。

 今は「社会が学校化している」ともいわれ、価値観がどんどん画一化しています。そういう中で親ができることは子どもの「非学校的能力」を見つけて、伸ばしてあげること。子どもが元気に過ごせる場所を見つけることは、個性を見つけてあげることでもあります。そしてその体験がネットより楽しいものになれば、ネットは時間を消費するものではなく情報を見つけるための有効なツールになっていくはずです。

 親に求められているのは子どもの生活時間をプロデュースする力です。放っておいたら子どもは自由な時間をネットに使って終わってしまう。そうならないために、親の方で時間をしっかりと区切ってプロデュースしてあげる。そしてどんな体験をさせてあげるか考えるのが、これからの親の役割だと思います。

(取材・文/かみゆ)