3人の子育てをしながら、ウェブサイトの企画・制作会社への転職や個人事業主としての起業経験を持つ毛利優子さん。「時間・場所・年齢・ブランク・経験などの制約があったとしても、あきらめずに選択肢を広げていけば、好きな仕事を手に入れる方法はあります」と広く発信しています。今回は再就活に臨む際の、よくある失敗とその克服法について紹介します。
(※本連載は書籍『働きたいママの就活マニュアル(自由国民社)』よりお届けします)

「バリバリ正社員VS近所でパートの2択で考えている」はNG

 「子どもが小さいから正社員としてバリバリ働くのはもう無理だし、保育園に預けてまで、近所の飲食店やスーパーでパートするのも気が進まない……」

 働きたいという意思があっても、このような気持ちから最初の一歩を踏み出せない人も少なくありません。しかし、インターネットの普及や政府の女性活躍支援により、ここ数年で働き方の選択肢は飛躍的に増えています。この変化の波に気付き、上手く乗ることができれば、家庭と両立しながら、好きな仕事を楽しむという理想の状況に近づくことができます

 あなたにとって、理想の働き方とはどのような形ですか。もしかしたら、今までは考えたこともなかったような働き方に答えがあるかもしれません。

 ■短時間勤務の正社員 

 「正社員=フルタイム・残業あり」というイメージが強いですが、短時間勤務制度を利用すれば、9:00~16:00(休憩1時間)といった勤務時間で働くことも可能です。平成24年7月から改正育児・介護休業法が全面施行され、3歳未満の子を持つ従業員が希望した場合、すべての企業において、残業免除や短時間勤務制度(1日の労働時間を原則6時間)の措置を取ることが義務化されました。企業によっては、この短時間勤務制度の利用を子供の「就学前まで」「小学6年生まで」など利用期間を拡充していることもあります。

 私も保育園に通う子供を3人抱えて転職活動を行った経験がありますが、この制度を利用させてもらって正社員として採用してもらうことができました。正社員としてのブランクが短い場合、転職後にこのような形で採用してくれる企業もあります。最初からムリだとあきらめずに、色々な可能性を探ってみてください。

 ■派遣社員 

 派遣会社に登録して仕事を紹介してもらう働き方です。業務の指示は派遣先の企業で受けますが、雇用契約は派遣会社と結びます。そのため、福利厚生や研修制度は登録する派遣会社によって異なります。派遣社員も6カ月以上の勤務で労働日の8割以上の出勤があれば、10日間の有給休暇を取得することが可能です。最近では、産休・育休の制度や提携託児サービス、スキルアップ研修など正社員に劣らない福利厚生や充実したサービスを提供している派遣会社もあるので、チェックしてみると良いでしょう。

 ■パート・アルバイト 

 基本的に時給で働く形になるため、子供の熱などでお休みした場合はその分だけお給料が減ってしまうというデメリットはあるものの、働く時間や場所を細かく選べるメリットがあります。パートでも一定の条件や収入を満たせば、雇用保険や健康保険にも加入することができます。この場合は扶養控除の対象外となって、手取りの収入が逆に減ることもあるので、事前にチェックしておくと安心でしょう。

 ■フリーランス 

 フリーランスとは、特定の企業や団体・組織に属さずに、仕事に応じて自由契約を結び働く形です。デザイナーやライターなどの職業に多く見られます。フリーランスという言葉はよく聞くけれど、特別なスキルを持っている人だけの働き方で自分には関係ない……と思っている人も多くいますが、最近は個人や企業がネット上で簡単に仕事の受注・発注ができるクラウドソーシングの普及により、パソコンさせあれば、誰でもフリーランスとして活動することができるようになりました。税務所に開業届を提出するだけで、個人事業主として開業することも可能です。受理された開業届は認可保育園に応募するときの就労証明として利用することができます。

 POINT  「バリバリ正社員」「近所でパート」だけじゃない! 働き方の選択肢を広げよう!

次ページからも、「NG」な考え方を引き続き紹介します。