子連れならではの気を付けたいポイント

 さらに、子連れならではの気を付けたいポイントとして気づいたのは他に3つほどありました。

●迷子対策

 全国から音楽好きが集まる祭典フジロックには今年も前夜祭含めてのべ11万5000人が訪れたそう。3日過ごして一度も迷子らしき子どもは見かけませんでしたが、親が見失わないように目立つ服を着させたり、はぐれてしまったときに周りの大人にどう伝えたらいいかを子どもに教えておいたりするなど、何らかの工夫は必要そうです。蛍光バンドも役立ちました。

日が暮れて暗くなると、子どもの手首や足首に蛍光バンドを装着。迷子や目印対策になります
日が暮れて暗くなると、子どもの手首や足首に蛍光バンドを装着。迷子や目印対策になります

●音対策

 次に、音対策。野外で音が拡散しやすいとはいえ、普段の環境と比べると格段に“大きな音”に囲まれることになります。子どもの耳はまだ発達段階にあるので、大人以上に受けるダメージが大きいと考えて、スピーカーとの距離には配慮しないといけないと感じました。うちの場合は、騒音環境に行く際に以前から使っている子ども用のヘッドホンを持参し、ライブが始まると子どもに装着していました。本人はサングラスとコーディネートして「変身!」と何かになりきっていたのでよかったです。

 ちなみに、たとえヘッドホンで音対策をしていたとしてもステージ近くの前方に子どもを連れていくのは絶対におすすめしません。もみくちゃにされて危険ですし、周りの皆さんにも気を使わせてしまいます。あくまで音楽を楽しむためのイベントであることを忘れないようにしないといけないですね。

 また、会場内のゴミは完全分別。子どもと一緒にエコ活動ができるので、よい経験に。

体力回復対策

 かなり大事だと感じたのは体力回復対策です。子どもが体調を崩さないためということももちろんありますが、子連れフェスは気を配ることが多く、親も消耗します。複数日程参加する場合は特に快適に休養できる宿を確保することをおすすめします。今回は半年以上前に手配をした近隣の「苗場プリンスホテル」を使えたことがとても救いになりました。一日の疲れをとれる大浴場やメニュー豊富な朝食でエネルギーをチャージできました。

 会場近くにテントを張るスペースもあり、それはそれで楽しそうなのですが、体調管理が重要になる子連れの場合はハードルが高いように感じました。多少コストがかかっても、近場の宿を確保するほうが安心だと私は思います。

 無事に3日間を終えて、音楽も満喫し、「フジロック、また来たい!」という息子を連れて東京へ。

 今回とてもラッキーだったのは、開催中に雨が一度も降らなかったこと。「親子で全身ずぶぬれ、泥まみれになりながら音楽とたわむれるという試練をいかに乗り越えられるのか?」という課題は、次回以降に持ち越しとなりました。大人も子どもも満喫できて、家族でエネルギーチャージができたフジロックよ、ありがとう! 次は雨が降るかもしれないけれど、また果敢にチャレンジしたいと思います。

<私はこれを持っていきました! 「親子で野外フェス」必須アイテムリスト>

・着替え(雨にぬれたときの着替えも)
・防寒具
・雨具(リュックごとかぶれるポンチョ)
・子ども用水着
・川遊び用のサンダル
・タオル
・折り畳み椅子
・使い捨てシート(3日分)、防寒用ブランケット
・防音用のヘッドホン
・靴(大人はアウトドア専門店で登山用の靴を新調。子どもは川遊びできる履き慣れたスニーカー)
・飲料
・蛍光バンド
・すぐに取り出せるチャック式の財布
・日焼け止め
・虫よけスプレー
・せんべい(子どもが食事を待ちきれないときのために)

(ライター/宮本恵理子)