料理が苦手な夫に勧めるお手軽料理とは?

うえやま 僕は漫画の中で「男も料理をするべきだ」と描いたことは一回もないんです。「料理は楽しいよ」と言っているだけ。「男女はこうあるべきだ」なんてことは僕は言うつもりはありません。夫婦の一番いい形を、それぞれが選べばいいんじゃないですか? ということです

―― それが2巻と132巻で荒岩が言っていた『クッキングパパ』の一つのテーマなんですね。

うえやま 130巻ぶりに同じこと言ってるんだもんね(笑)。核家族化してきたということは、昔と違う夫婦の理想の形を自分たちで作れる、ということなんですよ

―― 荒岩のように仕事と料理や家事を両立させたいと考えている男性も増えていると思いますが、残業があったり、苦手な家事があったりと、なかなかうまくいかないのが現実だと思います。そんな人に対してアドバイスをいただけますか?

うえやま ただ料理すればいいってものでもないですからね。ゆとりのある休日に、子どもや家族と一緒に過ごすことが大事なんじゃないですか。それは努力するしかないと思いますよ。もし、料理に少しでも興味があれば、台所に入ってみればいいと思います。『クッキングパパ』には「ザ・イタリアン鍋」(第1巻収録の「COOK.1 イタリアン鍋料理は手軽でボリューム満点」に登場)のように超初心者向けの料理もありますので、ぜひ挑戦してみてください。

記念すべき第1話に掲載された「ザ・イタリアン鍋」。料理が苦手なパパにうえやまさんが推薦する超簡単料理(©うえやまとち/講談社)
記念すべき第1話に掲載された「ザ・イタリアン鍋」。料理が苦手なパパにうえやまさんが推薦する超簡単料理(©うえやまとち/講談社)

―― お話を伺っていると、仕事も料理も子育ても「楽しむ」ことが大事なのかな、と思いました。

うえやま 嫌だ、嫌だと思っているよりずっといいよね。特に育児をしていると、報われる瞬間がありますから。すごい笑顔を見せてくれる瞬間もそうだし、料理を作って「美味しい!」と言ってもらえる瞬間もそう。それをいつも感じ取っていてほしいですね

―― ちなみに、うえやま先生のお子さんはもう成人されているのでしょうか?

うえやま はい、もう結婚しましたよ。男の子のほうは、僕よりイクメンです。料理もすごく作ります。「これからの夫婦は男が料理を作るもんだ」と言った覚えはないんですけどね(笑)。

※インタビュー前編「クッキングパパは30年前からイクメン・イクボス」はこちら

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■うえやまとち/クッキングパパ
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(取材、文/大山くまお 写真/中川真理子)