イライラさせる子どもの行動は愛のメッセージ

 お母さんの心が満たされて安定していると、子どもも落ち着いていたり、お母さんがイライラしていると、子どももなんだか落ち着きがなかったり……。そんな経験はありませんか?

 それと同じで、親自身が無意識のうちに否定したり、抑圧している感情も、子どもは鏡のように映し出します。つまり、親が心の中で否定したり、禁止したりしている部分を、子どもは言葉や行動として表現するのです。そして、そんな子どもを見て、親がイライラしたり、モヤモヤする、という現象が起こります。

 これは、親子関係に限らず、夫婦関係など、人間関係全般においていえることです。たとえば、「怒ることはよくないことだ」と怒りの感情を抑圧している人は、感情を出して怒る人を見ると不快になるでしょう。また、本当は人に頼ったり、甘えたりしたいのに、その気持ちを抑圧している人は、すぐに人を頼ったり、甘えたりする人を見ると許せない気持ちになるかもしれません。

 でも、実は、自分が見ないようにしている影の部分を見せてくれる人(イライラさせる人)は、自分を成長させてくれる人でもあります。「そういう部分があってもいいんだよ」と、今まで否定していた自分を受け入れるきっかけをくれる人でもあるのです。ですから、日々たくさんイライラさせてくれる子どもに対して、「イライラさせてくれてありがとう!」とまでは思えないかもしれないですが(笑)「あ、何か教えてくれているんだな」と、思うことはできそうですね。

 親をイライラさせることで、子どもはこんなメッセージを届けてくれているのです。

 疲れていない?
 最近がんばりすぎていない?
 もしかしたら本当はこうしたいんじゃない?
 こんなふうに考えたら、もっとラクになるよ。

 日々、たくさんのお母さんとお会いし、お話を聴くと、お母さんの心は特に子どもと強くつながっているなぁと感じます。お母さんの心が変化するだけで、直接子どもに何をしたわけでもないのに、子どもの問題が消えてしまうことが多々あるのです。それだけ強く、お母さんと子どもの心はつながっているのです。

 子どもは鏡。子どもを見ると、自分の心の状態がわかります。子育てのピンチは、親子で成長できるチャンスなのです。