元小学校教員で2児のママでもある原田綾子さんが提案する「勇気づけ子育て法」を紹介するこの連載。今回は「お母さんと子どものこころはつながっている」という話です。子どもを勇気づけていても、親の心が不安定だったり、どこか無理をしていると、その歪みが子どもに映し出されるというケースをたくさん見てきました。今回は親子の心が密接にリンクしている、ということについて説明していきます。
(※本連載はアドラー心理学に基づく子育てのヒントが詰まった書籍『ほめるより子どもが伸びる勇気づけの子育て』よりお届けします。)

 <これまでの連載記事>
2~3歳以降は「ほめ」から「勇気づけ」の子育てを
勇気づけられて育った子どもは心豊かな賢い子に育つ
どんなときも子どもを信頼することで子どもは伸びる
親を困らせる行動の目的を知り、おおらかなママに

子どもはお母さんの心を映し出す鏡

 これまで紹介してきたように、子どもを勇気づけることは、子どもに自信をつけたり、やる気を引き出すうえで、とても大切です。

 「いつも見ているよ」「いつも応援しているよ」「あなたのこんなところ、ステキだよ」と勇気づけられた子どもは、「自分には能力がある」「お母さんがいつも応援してくれている」と思うことができます。すると、心の安心基地ができるので、もし何か困難に出会っても、それを乗り越えようとチャレンジすることができるのです。

 そして、もし失敗して一時的に落ち込んだとしても、また自分の足で立ち上がることができるでしょう。

 ですが、日々たくさんのお母さんに接していて気づいたことがあります。それは、いくら子どもに勇気づけの言葉がけをしたとしても、親の心が不安定だったり、感情にフタをしていたり、無理をしていると、子どもが本来の力を発揮できないことがある、ということです。つまり、子どもは自信を持つどころか、逆に自信を失ってしまったり、やる気を失ったりしてしまうことがあるのです。

 親子の心は深い部分でつながっているのです。子どもは、お母さんの心を鏡のように映し出します。