下記は脱水症の度合です。

■脱水軽度
→水分が足りなくなると、まずは、おしっこの量が減ってきます。
■脱水中等度
→さらに脱水が進むと、泣いても涙が出ない、口が渇いてネバネバする、皮膚が渇いて張りがなくなるなどのサインが。水分と電解質が失われている証拠です。

【脱水症の早期診断法】以下の項目で2つ以上あてはまる場合は脱水症を疑います。

☑爪を押したあと、色が白色からピンク色に戻るまで3秒以上かかる
☑口の中が乾燥している
☑舌の赤味が強い
☑舌の表面に亀裂がある
☑舌が白いものに覆われている
☑皮膚に張りがない
☑(新生児の場合)おでこがくぼむ
☑手足が冷たくなっている

 慌てずに、薬局や病院・診療内の自動販売機で購入可能な「OS-1(オーエスワン)」などの経口補水液をスプーン一杯から飲ませるケアを始めてください。ゼリータイプの方が子どもはよく飲みます。嫌がるときは、親が飲んでみせると飲みますし、子ども自身も辛いときは自分から素直に飲むことも多いようです。

「気温28℃以上」「湿度75%以上」「風通しが悪い場所」は、熱中症に警戒を

 ここで、熱中症についての大切な基本知識をおさらいしましょう。

●語源は?

明治時代は「熱あたり」と呼んでいたようです。「食中毒」は「食あたり」とも言いますので、「中」が「あたり」と読むことになります。

●「熱中症」になりやすい条件は?日射病・熱射病との違いは?

熱中症とは、体温の上昇と汗により、体液のアンバランスと脱水が生じている状態を言います。この熱中症に陥る悪環境は高温・多湿・無風の3つ。

①気温28℃以上 ②湿度75%以上 ③気温と湿度がこれ以下でも、風通しの悪い所(無風の場所=室内)。このいずれかの条件下で、発生します。

「日射病」や「熱射病」などの呼び方もありますが、最近は高い気温下で起きる全身の障害を「熱中症」と総称して呼びます。

●熱中症の対処法

重症度に関係なく、首・ワキ・股など太い動脈が通っている場所に冷たいタオル・水・氷などを当てて、体温を下げることに努めましょう。

と同時に、意識があれば、「経口補水液」を飲んで、汗によって失われている水分・塩分・糖分をまめに補給します。

●経口補水液とは?

食塩とブドウ糖を水に溶かした液体で、熱中症や嘔吐下痢症(いわゆるお腹のかぜ)による脱水症の治療に用いられるもの。自分で作る場合は、1リットルの水に塩3g(小さじ2分の1)、砂糖40g(大さじ4.5杯)を入れるとよいでしょう。果汁(レモンやグレープフルーツなど)を搾ったり、オレンジジュース少量を香り付けに入れると飲みやすいうえ、カリウムの補給にもなります。

ただ、自分で作ると衛生面で心配もあるため、市販の「OS-1(オーエスワン)」をおすすめします。200ml・500mlのペットボトルタイプと、200gのゼリータイプがあるため、子どもが飲みやすいものを常備しておくといいでしょう。

●1〜2時間前から予防を

熱中症が心配な状況が予測される場合は、1~2時間前から経口補水液を飲み、予防対策をしましょう。サッカーの日本代表選手は、試合中はもちろん、試合開始2~3時間前から経口補水液を飲用していました。健康管理には予防が一番で、無理をしない、体調を把握するなどの心がけで過ごしましょう