前回記事 「男子中学御三家「開成・麻布・武蔵」校風と入試傾向」では、関東圏の男子中学御三家と言われる3校について紹介しました。今回は関東圏の女子中学御三家について紹介します。

 ところで皆さん、女子中学御三家と言われる3校をすべて言えるでしょうか? 男子中学御三家は知っていても、女子御三家となると「あれ? どこだっけ?」と分からない人が案外いらっしゃるかもしれません。

 関東圏の女子御三家は「桜蔭中学校・高等学校(以下、桜蔭)」「女子学院中学校・高等学校(以下、女子学院)」「雙葉中学校・高等学校(以下、雙葉)」の3校。いずれも東京23区内にある伝統校です。この3校の共通点といえば、毎年数多くの東大合格者を出す進学校であること。

 でも、同じ進学校でも、その中身は大きく異なります。

 女子中学御三家の特徴を表すものとして、ユニークなたとえがあります。

「もし、道に空き缶が落ちていたら……」 

桜蔭生は、「本を読むのに夢中で缶が落ちていることに気づかない」
雙葉生は、「そっと拾ってゴミ箱に捨てる」
女子学院生は、「その空き缶で缶蹴りを始める」

 というように、空き缶一つを取ってもまったく反応が違うというのです。

 では、各校の特徴を、じっくり見ていきましょう。

【桜蔭】
1930年(昭和5)、東京女子高等師範学校(現お茶の水女子大学)の同窓会「桜蔭会」により創立。全国の女子校の中でも、毎年50人以上の東大合格者を出す進学トップ校として名を馳せる。医学部への進学も多い。

校訓は「勤勉・温雅・聡明であれ」「責任を重んじ、礼儀を厚くし、よき社会人であれ」。建学以来、「礼と学び」の心を大切にし、「知・徳・体」に調和の取れた教育を実践。勉強のみならず、人として必要な礼法にも力を入れている。全体的に勤勉な生徒が多い。

授業は、中3の自由研究をはじめ、自ら調べ、考え、発信していく力の育成を重視。大学受験のための勉強ではなく、学問に対する興味を養うことを目指している。東京都文京区本郷所在。中学校240名、高校募集なし。

【女子学院】
1870年(明治3)創立のプロテスタント校。キリスト教精神に基づいた豊かな人間性を育む教育を行うとともに、高い理想を持つ自立した女性の育成を目指す。東大合格者数は、桜蔭には及ばないものの毎年20人以上に上る。

自由な校風が特徴で、制服や細かい校則がなく、校則にあたる規定も「校章のバッジをつける」「上履きは指定のものにする」などの4項目のみ。

授業は、中学では全科目をバランスよく学習しながら、実験やリポート、作文、作品制作などにも力を入れている。また、毎朝礼拝が行われ、週1時間「聖書」の授業がある。東京都千代田区一番町所在。中学校240名、高校募集なし。

【雙葉】
1872年(明治5)創立のカトリック校。校訓は「徳においては純真に、義務においては堅実に」。6年間を通して「宗教」の授業があり、ボランティア活動に力を入れたり、毎日生徒が校内掃除を行ったりするなど、カトリックの精神に基づいた全人教育を実践。女子御三家の中で唯一併設の小学校がある。

校則はそれほど厳しくないが、上品で礼儀正しい女性になるようにという雙葉の文化が根付いているので、身だしなみが乱れていると学校側から注意を受けることも。御三家の中では“お嬢様学校”というイメージが強い。

併設の小学校では英語を正課としているため、中1では内部生と外部生は別クラスで授業を行い、1年間で進度を調整し、中2から一緒に学ぶ。中3からフランス語の授業が加わり、高校では第一外国語として英語かフランス語を選択。カリキュラムは全教科においてしっかりしているが、中でも外国語教育に力を入れている。東京都千代田区六番町所在。中学校100名、高校募集なし。

 このように、ひとくちに進学校と言っても、3校の校風は見事にバラバラ。そのため、進学実績の良さだけで学校を選んでしまうと、入ってから学校の雰囲気に馴染めないといったミスマッチが生じてしまうことも。そうならないためには、まずは学校説明会やオープンキャンパス、文化祭などへ親子で足を運び、わが子がその学校の雰囲気に合うかどうか見極める必要があります。

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