今回のムービーで、妻が初めて僕の仕事に関心を持った(青野)

羽生祥子。日経DUAL編集長。子どもは小学3年、1年の二人。家事と育児はできるほうがやるスタイル
羽生祥子。日経DUAL編集長。子どもは小学3年、1年の二人。家事と育児はできるほうがやるスタイル

青野 今回のムービーで僕の家庭内で影響があったのは、妻が初めて僕の仕事に関心を持ったということなんですね。

一同 へえ~(笑)。

青野 これまで僕、どれだけもう「こんな仕事やって」「こんな人と会って」みたいに言っても、「へえ」って言われるだけだったのに、普通にフェイスブックで僕の投稿を見てシェアされてて(笑)。この前も僕が「動画に字幕がついたよ」とつぶやいたら、シェアしてましたね。「初めて良い仕事をしたね」みたいに言われて。

 僕自身は割と考え方が古くて、家事や育児を“手伝う”という感覚は全然抜けていないですね。「収入差こんなにあるんだから、普通お前全部やるだろ」みたいな。でも、頭の中も変わってきて、時代も変わってるしと。先日も妻に怒られたんです。「子どもを病院に連れていって大変だった」という話を聞かされたんですね。それで「病院代は?」って聞いたら「そこは『大丈夫?』って聞くとこでしょ」みたいに言われて、「ああ、そうですか」と。これが僕の実態です。

一同 あはは!

3人目の出産に合わせて育休取得後、16時までの時短社長を実践(青野)

青野慶久さん。サイボウズ代表取締役社長。1997年、愛媛県松山市でサイボウズを仲間と設立。2005年4月、代表取締役社長に就任。子どもは5歳、3歳、0歳の三人。3度目の育休を1カ月取った後、3月から8月までの半年間、夕方4時までの“時短社長”に挑戦した
青野慶久さん。サイボウズ代表取締役社長。1997年、愛媛県松山市でサイボウズを仲間と設立。2005年4月、代表取締役社長に就任。子どもは5歳、3歳、0歳の三人。3度目の育休を1カ月取った後、3月から8月までの半年間、夕方4時までの“時短社長”に挑戦した

青野 妻は働いているんですが、そんなにキャリアがすごいわけじゃない。でも、ずっと働き続けてきました。

 それで3人目の出産に合わせて僕自身が1カ月の育休を取りました。それから16時帰りを始めました。上の子二人が保育園に行っているので彼らの送り迎えですね。でも保育園って、厳しいんですよ。「産休期間中は16時半までに来てください」って。それで16時に退社することになったんです。

小田 時短中もご自宅でお仕事はされていたんですよね。

青野 はい、していました。でも、乳幼児って大変ですよね。自分のベッドで2日続けて寝れなかったこともありましたもん。下の子がひどく泣くもんで、別の部屋に移さないと上の子まで起きちゃうんですよ。部屋を移すと大人がついていないといけないから、僕はじゅうたんの上で寝ていたこともあります。

 妻はベビーベッドで下の子を寝かせた後、その隣で寝てる感じですかね。まだ3時間おきくらいに起きるから、夫婦で代わりばんこに起きる、という感じですかね。妻がしんどいときは「今晩は俺が見るよ」みたいな。こんだけやってるのに評価が低いんですよ(苦笑)。何かが違うんでしょうね。まさにあの2本目のムービーのような感じなんですよ。

小田 でも、やってる量は社長のほうが多いですよね。

青野 なんで怒られるんだろうね(笑)。やってる割に。

陶山 結構、やってる量って関係ないのかもしれないですね。だって僕、周りの女性から「うちの旦那さん、こんなにやってくれるから満足」という話ってあんまり聞いたことないんです。男性がそれだけやっていないのか、というだけの話かもしれないですけど。「これだけやってくれたから満足」みたいなのはあんまりないのかなという気はしますね。

 だって奥さんに対しても、ふとしたときに感謝の気持ちは感じますけど、日常は、忙しくて。相手への頑張りを、気づいてあげられないくらいお互いがいっぱいいっぱいになっちゃうから、そういうところでの擦れ違いってあるのかなと思いますね。