住む人が世代ごと入れ替わるのがリノベーション
リノベーションというと、「間取りの変更などを伴う大がかりなリフォーム」を指すイメージがある。「リノベーションとリフォームの違いがよくわからない」という人も多いだろう。だが同社では、リフォームとリノベーションをより明確に区別している、と河崎さんは話す。
「リフォームは住んでいる人が生活スタイルの変化などに応じて行うものですが、リノベーションは住む人が世代ごと替わるイメージです。今回のように既存の住宅を売却するケースの他に、2世帯住宅として新たに子世帯が同居するケースや、子世帯が親の家を引き継ぐケースなども含まれるでしょう」
いずれの場合も、再生した住宅に住むのは若い世代が中心となる。ではそうした世代にとって、リノベーション住宅はどんなメリットがあるのか。河崎さんによると大きく3つの理由があるという。
1つめは価格だ。「リノベーション住宅の場合、新築と比べて安い価格で入手できます」(河崎さん)。
2つめは住居としての実績。「すでに長年にわたって人が手を入れながら住んだ実績があるので、構造や住み心地などは実証済みという点は安心材料でしょう。住宅によっては古い建具などを残すケースもあり、レトロな雰囲気が楽しめる場合もあります」
成熟した環境だからこそ期待できる住み心地
3つの長所は、住宅が立地している街に歴史があること。特に若い世代にとってプラスになるという。
「一言でいうと街が機能しているということです。このグリーンヒルズ湯の山のように分譲当時から管理が行き届いていれば、成熟した暮らし環境が期待できるでしょう。また以前から住んでいる人など多くの世代と交流できるので、大人が子どもを見守ってくれて、子育てがしやすい環境といえます」。これらは新興住宅地や新しく建築されたマンションにはない長所だと言える。
そういえば家の中から庭を見ると、成長した木が隣の家との間のほどよい目隠しになっている。こうした住みやすい環境が入居したときから整っているのも、成熟した街に立地するリノベーション住宅の良さといえそうだ。
メリットの多いリノベーション住宅だが、注意点もあるという。
「最も重要なのは耐震性能の確認です。木造の場合は構造部材が腐食していることもあります。また以前の住宅は断熱性能が今より低い場合が多いので、リノベーション工事の際に対策が必要です。また施工会社によるアフターサービスが受けられるかどうかもポイントでしょう。当社のリノベーション住宅には新築並みの10年保証が付き、不具合が発生したときはカスタマーズセンターが対応する体制になっています」
性能面やアフターケアの確認さえできれば新築並みかそれ以上のメリットも期待できるリノベーション住宅が、これからの住まい選びの一つの選択肢になることは間違いなさそうだ。
(文/大森広司、写真/守口王仁)
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