「音楽の3要素はメロディ、リズム、ハーモニー。組織も同じ」

 3人目は明治安田生命相互会社執行役員の松村里美さん。1984年に一般職として入社し、92年に総合職へ転換。部長や支社長を歴任し、社内のダイバーシティを象徴する存在として活躍してきました。

 ご承知の通り生命保険業界は女性が多く、当社も従業員の約8割が女性。多くはアドバイザーと呼ばれる営業担当者です。仕事と家庭を両立する彼女達を支えているのは、生命保険という仕事が社会保険制度を補完する重要な役割を担っているという使命感です。入社以来32年、営業の現場や本社の各部など色々なところで仕事をしてきて、その都度壁にぶつかり、悩むこともたくさんありました。そんなときには日々お客様と真摯に向かい合う営業担当者の姿を思い出して、共に働く仲間と共感共苦で取り組んできました。

 今日お集まりの皆様にも、目標に向かい、選んだ道を信じてチャレンジしていただきたい。前向きな姿、愚直に頑張る姿を必ず誰かが見て、応援してくれています。

 最後はパナソニック株式会社テクニクスブランド事業担当役員の小川理子さん。音響機器の研究開発に従事する「リケジョ」である一方、ジャズピアニストとしても活動するユニークなキャリアの持ち主です。

 私がビジネス分野で頑張ろうとしている女性達に申し上げたいことは、今、目の前にある仕事に全力投球をしてほしいということ。たとえ今の仕事が自分の理想とは程遠いものであったとしても、与えられた条件と環境の中で最高のパフォーマンスをしていくことが、未来を切り開いていくことだと思っています。私自身を振り返ってみると、男性ばかりの職場の中、幸いなことに女性であることの難しさをあまり意識せずにやってくることができた。それは多くの仲間や家族に助けられることによって、目の前の仕事に全力投球できたからだと感じています。

 音楽の3要素はメロディ、リズム、ハーモニー。個性豊かな音が奏でるメロディは、生命力あふれるリズムの土台の上で創造的に躍動し、個性が融合してハーモニーとなり、音楽として成立します。組織も同じで、私達のように企業に集う者は、多様な人材の個性を最大限に発揮できるような風土を醸成し、創造性豊かな働きやすい職場環境をつくっていかねばなりません。真のダイバーシティ社会の到来に向けて、安倍首相をはじめ政府になお一層のご指導、ご支援をいただければと思っています。

 4者4様の力強いスピーチを受け、最後は安倍首相の「日本が成長の壁にぶつかっている今、これまで活用されていなかった人材なくして将来はない。新たな人材を登用し、生産性を上げ、同時に女性が子どもを産み育てながら働き続けられるよう、働き方も変えていきたい。みなさんから新たな宿題もいただいた。これからも全力で取り組んでいきます」という言葉でオープニング・セッションは締めくくられました。

 「ウィメン・イン・ビジネス・サミット」のレポート、次回は女性活用にまい進する男性リーダーの声を紹介します。

(取材・文/谷口絵美、撮影/鈴木愛子)