ケネディ大使「悩むのではなく仲間を見つけよう」

 女性自身が変革を生み出す立役者にならなくてはなりません。そのために私が最善の方法と思うのは、変化を生み出し、障害を乗り越え、すばらしい成功を収めた人々から学ぶことです。

 ナンシー・ペロシは2007年、女性として初めて米下院議長に就任しました。彼女は大学時代の同級生と結婚してカリフォルニア州に住み、5人の子ども達が大きくなるにつれて地元の民主党の政治活動に関わるようになりました。家庭からキャリアの道へ転身することは思ったほど難しいことではないとペロシは言います。家事を切り盛りするのに必要なスキルはどの職場でも大いに役立つ。気になる問題について学び知識を習得すれば、無知だと引け目を感じる必要はない。明確な目標を持ち、スケジュールを立てる。そして私が一番共感したことは、悩むのではなく仲間を見つけようという点です。できない理由を並べるのではなく、前向きな人達と組んで一緒に何ができるか考えるのです。

 ロッキード・マーティン社のCEO、マリリン・ヒューソンは実業界に変革を起こしている女性です。ヒューソンは多様性の熱心な提唱者で、組織内に様々な考えを持つ男女を配置することが成功、収益力の鍵であるとの強い信念を持っています。また人材開発に力を費やし、女性が共通の経験や課題を話せる場所を作り出し、10年目の今では男女350人が参加する1日掛かりのイベントとなっています。ヒューソンにおける女性の地位向上の原則は、ナンシー・ペロシと大きく変わりません。自分が望むことは自分で決め、決断を自分のものとして認識すること。常に挑戦者としてふるまい、快適な領域から踏み出す覚悟を持つことです。

 起業家になる女性も増えています。ダイアン・フォン・ファステンバーグはその一人。結婚後にアメリカに移住し、1970年に3万ドルの資金で起業。4年後、2人の子どもを抱えるシングルマザーとしてラップドレスを考案し、仕事もおしゃれも楽しみたいという働く女性のニーズに応えて世界的な反響を呼びました。成功とは自分を信じることだと彼女は言います。自分自身を頼り、なぐさめ、鼓舞し、助言を与えられることが大切だと。

 3人に共通しているのは、女性の地位向上に情熱的な決意を持って取り組んでいることです。私達は彼女達の経験と英知から学ぶことができます。道のりはまだ遠いですが、私達には先導してくれる人達がいるのです。

首相「輝く一つひとつの点を面に広げ、社会全体に定着させていく」

 後半では特別ゲストとして安倍晋三首相が来場。様々なジャンルにおいて指導的立場で活躍する4人の女性リーダーとともにステージに上がった安倍首相は、以下のように述べました。

 政権発足から2年半、明らかに社会の流れが変わりつつあることを感じています。上場企業の経営者の皆様には、少なくとも1人は役員の女性を登用してほしいと申し上げた。それ以来各企業で女性役員の登用が進み、いまや800人を超える女性役員が活躍しておられます。

 しかしこうした動きはまだ始まったばかり。輝く一つひとつの点を面に広げ、社会全体に定着させていくことが必要です。安倍政権は女性の活躍を応援する手を緩めることはありません。輝く女性の応援の旗をいっそう高く掲げることをお約束します。

 続いて4人の女性リーダーが、後輩達へのエールや政府への要望をスピーチしました。