出張から帰宅するたびに驚かされるのが、息子・2歳の“進化”
家族が一人増えてからというもの、できる限り出張は減らしてきたのだが、それでも、月に2度か3度は1泊、もしくは2泊ぐらいの出張が入る。
そのたびに、びっくりする機会が増えた。
ちょっと前までは、そんなことはなかった。はああ、癒やされるなあ……みたいな感じがあっただけ。それが2歳も半年を過ぎたあたりから、どんどん変わり始めた。
え? お前そんなに話せたっけ?
たった1日か2日会わなかっただけで、虎蔵(仮)のボキャブラリーが激増しているのである。
これは楽しい。猛烈に楽しい。親としても楽しいが、きっと本人もめちゃくちゃ楽しいのだろう。新しく覚えた言葉を片っ端から口にしては悦に入っている。
先日も行きつけの居酒屋さんでお気に入りの言葉を見つけた。
「おー、虎ちゃん、大きくなったなあ、進化したなあ」
大好物のポテトサラダを一人で食べられるようになった虎を見て、お店の大将が言った。すると、どうやら「進化」という言葉の響きがいたく虎のお気に召したらしい。
「たーちゃん、しんかしたのー。しんか、しんかー」
ちょっと大将、せめて「成長」とでも言ってくれよー……という親の思いもむなしく、まだまだまっさらな虎の脳ミソには「おにいちゃんになること =“しんか”」というイメージが刻み込まれた。
こうなったら、親としても負けてはいられない。自分が好きだったものは片っ端から刷り込んでいくことにした。