日経DUALをお読みのパパ、ママの中には、お仕事で部下を育てる立場の方もいらっしゃると思います。中には、職場に意欲のない部下がいて、「どうしてやる気を持って取り組むことができないのだろう」と思うこともあるのではないでしょうか。実は、やる気やモチベーションの源泉は幼少期に形成されています。その磨き方や、やる気にさせるコツを今日はお話ししたいと思います。

親はみな、子どもに伸び伸び元気に遊んでほしい

 赤ちゃんは欲求だらけで生まれてきます。おっぱいを欲しがり、抱っこを求め、あれは何? これは何? とキョロキョロします。すべて本能です。少し成長した幼児も、やりたいことがたくさんあって、常にやる気は満々です。毎日、「遊ぼう!遊ぼう!」と元気いっぱいで親も感心してしまうほど。ぐっすり眠ったら疲れはリセットされ、また遊ぶ(笑)。食う、寝る、遊ぶが充実している子は目がキラキラしています。

 ふと、大人の社会に目を向けてみると気づくことがあります。どうして意欲がない、やる気が感じられない人がいるんだろう? 子どものころはみんな元気いっぱい、やる気満々だったのに。本来、持っているものが、なぜ削がれてしまったのでしょうか…?

子どもをやる気にさせるのは大人の「動機づけ」

 「やる気」というのは「動機」をつけられていないことがほとんどです。目先のことだけをやれと言われたら誰でも嫌ですよね。やらされている気持ちでいっぱいになります。だから、意欲が無くなり、その先に楽しみが見いだせないようになっていきます。これは大人も同じではないでしょうか。

 イメージングできるような言葉をかけること、やらずにはいられない気持ちにさせてあげること(動機づけ)がモチベーションアップにつながります。ですが、大人は「やりなさい!」と、言葉だけでやらせようとし過ぎてしまいます。子どもは何事も経験が少ないわけですから、事前にイメージをさせてあげることが何より大切です。

 例えば、水族館へ行ったことがない子に、「水族館に行こう!」と言っても訳が分かりません。ですので、行く前に水族館という概念を教えてあげるために、写真を見せたり、魚の絵本を見たりするなどして、モチベーションアップに時間を費やします。これを続けていると、小学校へ行っても、自分でテンションを上げることができるようになります。常にやる気がある人は自走することができます。わくわくスイッチを自分で入れられる大人になるのです。

例えば、どのようにスイッチを入れるかというと…