結婚・出産後も働きたい女性達
日本の平均就業率(25歳~54歳)は世界でもトップクラス。しかし、男性の平均就業率が91.5%で、OECD加盟国34カ国の中で、スイスに次いで2位なのに対し、女性の就業率は平均を下回る69.2%で24位。女性の就業率が8割を超えるスウェーデン、アイスランド、ノルウェー、オーストラリア、スロベニア、スイスなどと比べると10ポイント以上も低く、男女間で大きな差が見られます。(雇用アウトルック2013/OECD)
これは、女性が男性と同様、学校卒業後に就職するものの、約6割の女性が第1子の出産を機に退職してしまうことが原因です。しかし現在は、「結婚・出産後も働きたい」と考える女性が急速に増えています。
派遣会社・株式会社ビズリーチが登録者に行ったアンケート調査によると、結婚・出産後も働き続けたいと回答した女性は89%。日本能率協会の調査でも「女性新入社員の9割が出産後も働きたい」というデータが発表されており、幅広い年代の女性が「結婚・出産後も働きたい」と考えていることがわかります。
下がる給料、増える非正規雇用広がる経済的不安
女性が結婚・出産後も働き続けたいと考える最大の理由は「経済的不安」です。「仕事を続けたい理由」を問う質問では、「今後の生活に不安を感じるため(収入面)」という回答が最も多く、約6割の女性が経済的不安から自らも働きたいと考えていることがわかります。
また、3位以下に続く回答(複数回答可)においても、「子どもの教育費のため」「老後の備えのため」「旅行や買い物等自分で家族の生活を豊かにするため」といった経済的な理由が続いています。ここ数年は、アベノミクス効果による賃金アップがニュースになっていましたが、それでも男性の平均年収は2000年と比較して、20~60代の各世代で10%前後も下がっています。(平成25年 民間給与実態調査/国税庁)