少子化の要因の一つは病児保育の遅れ
前編では、「病児保育」として提供されているサービスの違いについて、整理しながらお話ししました。
「病児保育」という言葉すらほとんど知られていなかった十数年前に比べると、テレビドラマ化までされる今の状況は、一見進んだように見えます。でも、実態の改善スピードは非常にスロー。僕は幾度となく歯がゆい思いをしてきました。
きっと今この瞬間にも日本のどこかで、急な子どもの発熱に慌てて、あちこちに電話をしているママやパパは何百人といるのではないでしょうか。当てにしていた病児保育施設に電話しても「定員オーバー」で受け入れられず、シッター会社に何件も電話して……。やっと確保できたものの、翌日も仕事を休むことはとても無理。かさむ病児保育代に頭を抱える……。
これって、全然「親に優しくない」世の中ではないでしょうか。共働き増加・核家族増加の社会において、子どもが増えない一因だと僕は強く思います。
では、日本の病児保育が進まない原因は何か? 僕が考える理由は2つ。「政策」の問題と、「意識」の問題です。