知識やスキルを蓄積した女性社員に退職されるのは、会社にとっても大きな損失
大和証券グループ本社取締役会長・鈴木茂晴さん
大和証券・鈴木会長 女性の活躍を始め、社員のワーク・ライフバランスを実現させていくことが、会社の持続的な成長につながるという確信が私にはあります。この場では、女性活躍推進を当社の経営戦略と位置付け、これまでの取り組みや今後目指していくことをお話しします。
私は社長に就任した2004年、全国の支店に足を運んで、現場を見て回りました。そして、数多くの非常に優秀な女性に会ったのですが、そこでは「昇進や給料などの評価で会社から期待されているという実感がない」「将来設計を描きづらい」「結婚や出産、配偶者の転勤によって会社を辞めざるを得ない」という声が聞かれました。
そんな女性社員達に、知識やスキルを蓄積したころに退職されてしまうのは会社にとっても大きな損失です。本人達にとってもせっかくのキャリアを失うことになりますからとてももったいない。ということで、その翌年の2005年ごろから、社を挙げて女性活躍支援に本格的に取り組みを始め、様々な制度を導入してきました。
まず、育児休職は子どもが3歳になるまで取得できるようにしました。最大1時間半早く退社できる短時間勤務制度は、小学校3年生まで利用できます。子どもが小学校に入るまでは、保育施設の費用も毎月2万円まで補助しています。少子化対策の一環として、第3子以降の子どもが生まれる職員には200万円のお祝い金を出しています。このお祝い金は、毎年30~40人に支給していますので、子どもを3人以上持つ社員が比較的多い会社なのではないかと思っています。
次ページから読める内容
- ある支店では、全員男性だった法人営業担当の3分の1を女性に
- 育休中の女性社員の昇格もある。成果を出せばキャリアアップが可能
- 「子どもが生まれたのに、休暇取らないの?」と社員が言い合う雰囲気づくり