ダイバーシティー委員会を立ち上げた後、広報の本部長に就任
後藤綾子さん(以下、後藤) 続いて、コーポレートコミュニケーション本部長の後藤綾子です。
松本がカルビーに来た2009年からの約1年間、松本に会うたびに「後藤さん、ダイバーシティー……」と、いつもつぶやかれていました(笑)。実はそれまで社内の女性管理職比率を計算したことがなかったのです。そこで人事に聞きに行って数えてみたら、当時は6%くらいでした。
そして、松本から言われた言葉が「この会社は1世紀遅れているね」でした。私はそれまでも頑張っていたつもりですし、生き生きと働いている女性は社内にもたくさんいたので「せめて10年くらいの遅れかな」と思っていたのですが、“1世紀”と言われて驚きました。
確かに役員会議に集まってくるのは男性ばかりでした。さあ、何かしなければと、2010年にダイバーシティー委員会を立ち上げ、2年間、私が委員長を務めさせていただきました。
最初は「ダイバーシティーとは何か?」を全国の従業員に伝えるところから始めました。イベントを開催したり、宣言やロゴマーク、グッズなどを作って配ったり……。こうした運動を行い、トップからの発信と合わせて、上から下から挟み込んでいく方法で浸透させていきました。
2年間、ダイバーシティー委員長を務めた後に「広報部長をやれ」という指示が下りました。ダイバーシティーについてまだまだやり残したことがあると思っていたのですが、ダイバーシティー委員経験者が広報部長を務めるのも大事なことだと思って引き受け、ダイバーシティー関連の取材をどんどん受けるようにしました。
そして、本部長という執行役員になりましたが、2013年には福山を含め、女性が3人執行役員になっていたので、「どうしよう、私なんて……」という気持ちもなく、勇気を持って飛び込んでいくことができました。最近は部長、課長も女性が増えてきているので「困ったら、あの先輩に相談しよう」という雰囲気が社内でも生まれているように感じます。
* 次回は、勉強会での質疑応答の様子をお伝えします。
(ライター/西山美紀)