本部長になって、月1回の定例部長会議をやめた

福山 私の仕事は毎日決まったルーティンワークではありません。経営については社長の伊藤(秀二)から権限委譲されているので、この地域の経営についてはすべて私が担っています。何かあったからといって会長や社長から呼び出されることもありません(笑)。

 以前は月1回の部長会議がありましたが、私が本部長になってからはやめました。報告だけの“御前会議”で時間がもったいないと判断したからです。今は四半期を総括する会議だけ行っています。

 その代わり、部長達が現場で開いている会議に入ったり、課長と一緒に工場に出向いたりしながら現場の声を聞くことで問題を洗い出し、迅速に解決するようにしています。オフィスは大阪の堂島にありますが、いつもあちこちに出かけていて、一日中、自分の席に座っていることはほぼありません。

会長との約束は、「とにかく夕方4時に帰れ」

 子ども達の朝の送り出しは夫にお願いし、私は朝8時から8時半の間に出社しています。その後、得意先を訪問したり、各地域にある拠点に飛んだりしています。

 松本から一つ約束させられているのが、「とにかく4時に帰れ」ということです(笑)。「短い時間で結果を出せばいい」と。

 1年に1回、今期はどういうことを行うか、売り上げや課題を含めて上司と決めます。それを実現することがすべてなので、「結果を出せば職場に長くいなくていい」と。むしろ上司がいないほうが、メンバーは育ちます。

 私が夕方4時に帰った後のことはすべて部長に権限委譲していて、4時以降のことは部長が自分で決めます。部長判断でうまくいっているときは私は口を出さず、何か「危ないな」と思ったときだけのフォローに徹します。そして私は基本的に毎日、夕方の5~6時には帰宅しています。

 どれだけ短い時間で成果を出すかということに尽きるので、「女性だけでなく男性も早く帰ればいい」と思っていますし、不要な会議はどんどん減らしています。飲み会にも行きませんし、ゴルフはできないので土日のゴルフ接待も一切していません。でも、できないなりにどうするかということは考えています。

 前任者は男性だったので彼と同じように働こうとすると、どうしても勤務時間が長くなりがちです。そこで、私は掲げている目標を達成するために仕事のやり方を変え、夕方5~6時に帰って子ども達との時間を過ごし、毎日一緒に夕ごはんを食べるようにしています。

 とはいえ、これで結果が出せなかったらダメです。今期は執行役員の2年目ですが、1年目は目標をしっかり達成していますし、2年目も何とか順調に進めています。