最初の残業削減に取り組むチームは、ずばり「やる気の有無」で選ぶ

 Q)最初に社内で残業削減に取り組む数チームを決める際、どのような基準でチームを選びましたか?

油谷 「自分達のグループに課題意識があり、働き方について見直したいというところは手を挙げてください」と募集しました。事務局から指名するよりも、自主的に取り組んでもらったほうがいいと思ったからです。取り組んだチームが行った報告会に参加してくれた人には、「来年はぜひ取り組みへの参加をお願いします」と声を掛けました。

小室 講演会を行った後、「うちのチーム、ぜひやりましょうよ」と上司を説得しているチームがあり、そういうところは適任だと思います。講演会でアンケートに記入してもらうのですが、「今日のようなリスク管理についてどう思いますか?」「もしその問題を解決する際に、講師の会社からコンサルタントが来るとしたら、部署で参加したいですか?」という項目を入れておくと、「コンサルが来るんだったら、うちのチームに予算をつけてもらって、せっかくだから取り組みたい」と思ってチェックするチームが出てきます。その中から、バランスを考えて選んでいくといいと思います。

 もともと残業が非常に多いチーム2つ、リーダーが前向きなチーム2つを入れるといいでしょう。残業が多く、長時間労働の削減をする気もないというチームばかりだと、傷のなめ合いでうまく進まなくなるからです。さらに社内で大きな割合を占める社員と近い内容の仕事をしているチームを1つ入れるのがおすすめです。そこで出た成果を横展開しやすいからです。