過剰なストレスは妊婦の敵

 まずは、自分にとって今、何がストレスになっているのか、その要因を探ってみましょう。今まで通り仕事ができないからなのか、周囲からの理解が得られないからなのか、体調が悪いからなのか、通勤がつらいからなのか、パートナーからの協力が得られないからなのか、出産に対する不安があるからなのか…など要因はいくつもあると思いますが、思いつくまま書き出してみると、自分のストレスの中身が見えてきます。

 今までやっていた「出張や深夜残業が続く」「重い荷物を運ぶ」「営業職として歩き回る」といった業務が体力的にきつい、といった場合は我慢せず、早めに相談して状況を改善してもらうようにしましょう。働く妊婦を守ってくれる法律はちゃんとありますし、最近では人事やメンターが相談を受けたり、悩みを相談できる先輩を紹介してくれるケースもあります。一人で抱え込まず、対処法を伝授してもらい、この時期をうまく乗り切りましょう。

 また、妊娠中は大きな仕事上のストレスだけでなく、日々のささいなことが気になり、ストレスになることも多いものです。「トイレがいつも混んでいてイライラする」「社内がいつも寒い」「デスクの椅子が固くて腰が痛い」「隣席の人がいつもせきをしていて(風邪がうつりそうで)心配」など。

 実際はこうした日常的なちょっとした不快が積もり積もって、体調不良につながっていることも多いのです。こうしたプチトラブルは、様々な工夫で一つ一つ解決していきましょう。

 とはいえ、妊娠中に「不調」「不安」は付き物ですし、仕事をしていれば、それなりのストレスはあるものです。この時期はとにかく無理をせず、思うようにいかなくても、あまり気にし過ぎないというのも大切です。

 出産後は、赤ちゃんのお世話で手いっぱいになり、仕事も家事もと、すべてを完璧にこなすことは難しくなります。大切なものは何かと考え、手を抜けるものは手を抜き、頼めるものは頼む、できないことは無理をしない、といったおおらかさも、働く母親になるうえでは必要なことかもしれません。

(ライター/井上佐保子、写真/鈴木愛子)