楽しくて体が踊り出す。耳から聞いた音階が♪ミソド~と口からあふれ出す。0歳からの音楽教育を行う保育園で、子どもたちは2歳になるころには音階の聞き取りや音符の読みを一通り身に付けているという。いつも音楽がある。そんな園に足を運んだ。

音楽大好き! 自然と体が動いちゃう!

 表情がぱあっと明るくなる。先生のピアノの音に合わせて、楽しくてたまらないといった様子で子どもたちが踊り出した。

 一人ずつ順番にみんなの前に出て名前を言うのも、ピアノのリズムに合わせて歌いながら。音階の一つ一つの音ごとに両手を頭の上や肩の上に置いていくなど、覚えたルールに合わせて体全体で表現する。ピアノで弾かれた音を「ミソド~♪」と正確に聞き取って声に出すのも、子どもたちはお手のものだ。四分音符やト音記号の記号カードは1歳のころから見ているので、すらっと答えられる子も多い。

 東京・渋谷区の認可外保育所「キラキラキッズナーサリー」のリトミックの時間だ。一番上の2~4歳児の混合クラスの子どもたち約10人が、待ちに待った時間でもある。

 キラキラキッズナーサリーの保育の柱は、音楽教育。0~2歳児(3歳児、4歳児も一部在籍)までを中心に預かり、歩き出す1歳ころからはリトミックのプログラムはほぼ毎日実施される。リトミックを実施している園は最近増えているが、毎日行う保育園はそう多くはない。

フラフープの中に一人ずつ入って、音楽に合わせて名前を歌う。元気に歌ってニッコリポーズ!
フラフープの中に一人ずつ入って、音楽に合わせて名前を歌う。元気に歌ってニッコリポーズ!

 音階の復習などが一通り終わると、音楽と設定に合わせて体を動かして走ったり、踊ったり。カタツムリの絵本を読んだ後、音楽に合わせてみんなでカタツムリになってみる。雷が鳴れば歩みを止めて体を丸め、雨が降ればうれしそうに角を伸ばす。音に合わせるだけでなく、音の強弱、カタツムリの感情の変化を感じながら、自由に全身で表現していく子どもたちの表情は生き生きとし、くるくる変わっていく。