夏休みは朝の散歩から。親子の会話で身体感覚を伸ばす
西村則康先生
もうすぐ子ども達は夏休みに入るとはいえ、共働きのDUAL読者はいつもと変わりなく仕事がありますよね。「だからこそ、夏休み中は家で一緒に過ごせる朝と夜の時間を大切にしてほしい」と西村先生。
「特に朝時間の有効活用をおすすめします。例えば、出勤前にお子さんと一緒に散歩をしてみてはいかがでしょうか? 散歩というのは、相手に歩調を合わせながら横に並んで歩くものです。この『横に並ぶ』というのが親子のコミュニケーションにとてもいいんです」
「忙しい共働き家庭ではなかなか子どもとゆっくり話をすることができません。子どもの顔を見ればつい『早く宿題をしなさい!』『いつまでテレビを見ているの!』と叱ってばかり……ということもあるでしょう。でも、横に並ぶとなぜかゆったりとした気持ちになれるものなんです。子どもと並んで散歩をすることで『あ、あそこに朝顔が咲いているね』『ほんとだね』というように、自然とお互いに共感を求める会話が行き交うはずです」
「実は子どもは目に入ったものはただ見ているだけの状態で注目はしていません。『これって、○○だよね』と人から言われることで細部まで理解することができるのです。中学受験は語彙力や体験の豊富さがとても重要になります。小鳥のさえずりや気持ちのいい風を受け『すがすがしい朝だね』と言われて初めて『すがすがしい』というのはこういう感覚のことを言うんだなと理解できるようになる。つまり、この時期の親子の会話がとても大切なのです」
「低学年の子どもはまだ経験が少ないので身体感覚が薄く、そのため自分の知っていること以外はたとえ問われても答えることができません。特に国語の情感的なことは、過去に体験がないと想像すらできないのです。子どもの身体感覚を伸ばすには色々なことを体験させること。また、親が『これはこうなんだよ』と教えてあげるだけでも世界が広がります」
次ページから読める内容
- 【夏のお出かけ】美術館や博物館は親のリアクションが大事
- 【読書感想文】3年生なら他人の気持ちを書けるようにする
- 【自由研究】お手伝いは自由研究の良い題材になる