安心して母乳をあげられる日本 公共の授乳場所がない米国
先日、日本に一時帰国して、日本の公共施設における授乳スペースが本当にキレイで整っていることに私は驚いた。
清潔な個室にカーテンが付いていて、買い物をした荷物を置ける台や座り心地の良い椅子が用意されていて、「わーすごい!」と思わず声を出してしまった。これなら外で母乳をあげるのも大変ではないし、授乳時間になっても、あげる場所を探さなくてもよいので安心してお買い物ができると思った。
母乳を与えるスペースだけではなく、白湯が出てくるサーバーがあったり、おむつ替えの台が何台も用意されていたりと本当に至れり尽くせりで感動した。
実は、アメリカには日本のような授乳スペースや施設は整っておらず、いつも外出すると授乳する場所に困る。
となると、やはりどこでも構わずカバーをしてその場で与えるしかないのだが、不快に思う人も少なくはない。
こういった母乳をあげられる公共の場が整っていないことも、母乳育児を続けていく上で間接的に影響を及ぼしていると言わざるえない。たまに公園などをお散歩していると、カバーをしないでそのままペロンと洋服をめくって母乳をあげている母親にも出くわすことがある。
先日、日本からアメリカに戻る飛行機でも、カバーをして母乳をあげる私を横に、通路を挟んで反対側に座っていた乳児連れのアメリカ人女性はタンクトップからおっぱいをペロンと出して母乳を与えていた。おそらく日本ではめったに目にしないだろうが、アメリカではこういった光景には出くわすことが度々ある。
こういったことが起きるたびに、公共わいせつだ! いや、おっぱいはそもそも母乳を与えるためにあるのだ! などと物議を醸し、議論が勃発する。
日本の授乳スペースを体験してきた身としては、アメリカでの授乳スペースがもっと整っていたら、もう少し外出先での授乳も楽だし、今回のような問題も起きにくいのではないかと思うのだけれど。
搾乳の手間はHate でも、母乳をあげられるのはLove
私自身、母乳育児を始めてみて、母乳で育てたいという思いや頑張って母乳を与えている姿には、多少の違いはあれど、あまり国境はないと感じた。それよりも、早くに仕事復帰をするワーキングマザーが多いことから、アメリカのほうが人一倍大変な思いをして母乳育児を続けている人の方が多いように感じる。
そんな母乳育児だが、結局は子どもが生まれて2年もすれば、ほぼ皆卒乳する。その頃には当時のことを良い思い出として振り返ることができるのだろうか。
Facebookの母親コミュニティーで知り合ったあるワーキングマザーが言っていた。
「ワーキングマザーにとって母乳育児はLove and Hateだ。搾乳の手間と苦労はHateだけど、仕事をしながら母乳を与えてあげられるのはLoveだ」と。