前回「ポリコム 社員の7割以上がリモートワークを実施」は、ポリコムジャパンのビデオ会議システムを活用した「リモートワーク」とその効果について紹介した。今回は、リモートワークシステムを活用している社員の声とともに、メンバー同士の連携の方法を聞く。

<目次>
●週2~3日は自宅で勤務。朝晩を海で過ごすライフスタイル
●上司や同僚とのちょっとした相談は「バーチャル会議室」で
●チームメンバーの所在、状況をリアルタイムで確認
●リモートワーク期間の上限はナシ。全社員の平均は週2回程度
●小さな子どもがいても、成果を出せる環境をつくるのが会社のミッション

週2~3日は自宅で勤務。朝晩を海で過ごすライフスタイル

ポリコムジャパンのマーケティング部でパートナーマーケティングマネージャーを務める横山大介さん
ポリコムジャパンのマーケティング部でパートナーマーケティングマネージャーを務める横山大介さん

 マーケティング部でパートナーマーケティングマネージャーを務める横山大介さんは約2年前にポリコムジャパンに転職した。自社製品を扱う販売代理店に対し、マーケティング活動を支援している。

 担当に就いた当初は頻繁に販売代理店の社員と直接会って打ち合わせをすることが多かったが、人間関係を構築した後はビデオ会議が中心になった。そのため現在は販促イベントの開催や予算策定といった繁忙期以外は、週2~3回、自宅で勤務している。

 横山さんの家族は妻と4人の男の子(8歳、7歳、4歳、1歳3カ月)。第一子を授かったころ、「自然豊かな環境で子どもを育てたい」と葉山町(神奈川県三浦郡)での生活を始めた。

 以前は片道1時間半かけて通勤していたが、今ではその負担は軽減した。

ノートPCを使用し、カフェで海外にいる上司とビデオ会議を行った際の写真(PC画面は会議終了後)。外出時もネットに接続できる環境でビデオ会議などの仕事にあたる
ノートPCを使用し、カフェで海外にいる上司とビデオ会議を行った際の写真(PC画面は会議終了後)。外出時もネットに接続できる環境でビデオ会議などの仕事にあたる

 自宅からリモートワーク(社内では「Work from home」、略してWFHと呼んでいる)を行う日は朝5時に起き、6~7時に海に出て趣味のカヌーを仲間達と練習。その後、家族そろって朝食を取り、妻が子ども達を保育園に送るころ、仕事に取り掛かる。ビデオ会議が入るのは1日当たり平均2~3回、1回につき30分~1時間程度。この他企画書やプレゼンテーション資料などの作成に取り組む。

 妻が出かけている日は14時ごろに仕事を中断し、子どもを保育園に迎えに行く。子ども達が帰宅して家の中が騒がしくなると近くのファミレスに移動し、2~3時間仕事をすることも。夏場は17時30分ごろに仕事を終え、子ども達と一緒に海へ遊びに行く。

 通常勤務していた前職時代との差について、横山さんは「最も大きいのは通勤時間のムダを省けたこと」と言う。「今まで通勤に充てていた時間は、今は完全に子どもと触れ合う時間になっています。子ども達との会話の量が何倍にも増えましたし、保育園・学校のイベントや参観日に足を運べるようにもなりました。また、普段仕事していては見えない世界も見えてきましたね。例えば『地域』。自分が暮らす地域の人々と触れ合ったり、町の様子を見たりする機会が増えたことで、多くの人に支えられていることを日々実感するようになりました」(横山さん)

 一方、仕事面でも効率の良さを感じている。

 「例えば、四谷での打ち合わせを終え、その5分後に渋谷の取引先との面談を開始するなんて、普通に移動していたら絶対に無理。しかし、ビデオ会議システムを使えば可能です。幸運にも自社の商品であるビデオ会議システムを活用することで、音声が明瞭で雑音もカットされる。ストレスなくコミュニケーションすることができます。普通に対面して会議している感覚と変わりません。会議には多いときでアジア全体から10人ほど参加し、その場でスピーディーな意思決定がなされます」(横山さん)

【ポリコムジャパンが社員に提供しているリモートワークへのセキュリティー対策(一例)】

・ メールを社員のローカルディスクには保存されない設定にしている
・ 社員が使うアプリケーションはクラウドサーバーで共有
・ VPNでの接続環境を整備
・ 定期的なセキュリティートレーニングの受講
・ セキュリティー性の高い、企業向けのビデオ会議システムを利用

【横山さんがリモートワークをする際に心掛けていること】

・ カフェ等でリモートワークする際は、周囲からPC画面を見られにくい角の席を利用
・ ローカルのディスクに情報を残さないよう定期的にフォルダを整理
・ 機密情報を含む仕事は、パブリックスペースで行わない