輪切りにするといいのは「名残」の時期

hitomi 旬でも時期が分かれてるんですね。その時期によって、野菜の切り方が違うなんてビックリです。知らないと、輪切りとかにしてしまいそう。

内田 輪切りにするといい時期は「名残」の時期。「名残」の時期は水分が減って、皮が張り、繊維が固くなるので、輪切りにしたほうが火の入りが良くなるし、口当たりも良くなるんだね。8月の終わりにはナスは輪切りにするといいですよ。包丁を入れるときは、スーっと引き切りにしましょうね。

hitomi 引き切りですか? 上から押して切るのではないんですね。

内田 押し切りにすると、繊維を壊してしまうんですね。なので、タテにスーっと引いていく。野菜はね、優しく扱ってあげると間違いなく味が違うから。

 そしてお酢を一滴入れたお水に切ったナスをさっと浸けてアクを取り、キッチンペーパーで水気をしっかり取って、炒めに入ります。ナスは弱火だと油を吸いやすいので、強火でね。その間、菜箸で触っちゃダメだよ。フライパンの温度が下がるといけないから、このまま少し待ちます。

hitomi いつもだったらささっと炒めちゃいますね。ここはじっと我慢。歌でも一曲歌う感じで♪

内田 hitomiさんは有名な歌手なんだよね! ごめんね、おじさん、hitomiさんの歌の題名が分からなくて。長年、仕事の時間帯が早朝だから、テレビ見られずに早い時間に寝ちゃうのよ。

hitomi 実は私も子どもと一緒に夜9時に寝ちゃってます(笑)。

内田 おっと、ナスを炒めたら、ごま油やしょうが、タカノツメ、玉ねぎ、長ネギで香りづけをして、味噌や調味料を入れて絡めていくよ。

hitomi ナスの辛味噌炒めみたいな感じですかね。私、家でよく作ります。長ネギは入れるけど、玉ねぎは入れてませんでした。いい香りですね! おいしそう~!

内田 はい、これで一品完成! 簡単でしょ? 旬の野菜はシンプルな味付けだけでおいしいんです。だから、調味料にはぜひこだわってほしい。塩は食塩じゃなくて、ミネラル豊富な天然塩がいいですよ。お醤油や味噌も酵母が生きているものを使ってほしいな。市販のお醤油より3〜4倍の値段がするけど、だいたい旬の野菜ばかり食べていれば調味料はちょっとしか使わなくなるからね。

●ナスの味噌しぎ

材料(約4人分)
ナス 4本(薄い酢水)
なたねサラダ油 大さじ2~
ごま油 大さじ1.5
しょうが みじん切り 小さじ1
長ネギ 小口切り 大さじ1
玉ねぎ みじん切り 大さじ1
タカノツメ 小口切り 1/2本分
味噌 大さじ2
みりん 大さじ4
粗製糖 大さじ1
酒 大さじ1
塩 ひとつまみ
水 1/2カップ

作り方
1. ナスはヘタを切り、タテに細切りにする。薄い酢水にさらしてあく抜きをし、水分を拭き取る。
2. フライパンになたねサラダ油を熱し、ナスを入れて炒める(あまり動かさずに水分が出ないように炒める)。軽く火が通ったらいったん取り出す。
3. 同じフライパンにごま油を熱し、しょうがとタカノツメを炒める。長ネギ、玉ねぎも炒め、香りが出たら味噌を加えて少し炒める。酒、みりん、水、粗製糖、塩を入れて煮立て、2のナスを戻し入れさっと煮る。