流水で洗い流す、皮をむいて食べる

垣田 一昔前は土に農薬を撒いて根から吸わせる方法でした。でも今は噴霧式の農薬に切り替わってきています。農薬が野菜や果物の中まで染み込んでいるわけではないので、流水で洗い流せば外側(表面)に付いている農薬の50%程度は落ちるんです。ただ、野菜や果物はなるべく皮をむいて食べるほうがいいですよ。

hitomi キャベツや白菜などの葉物野菜はいかがでしょう? 私は一番外側の葉っぱをむいて、その内側から使うようにしますが……。

垣田 はい、hitomiさんがすでに実践しているように一番外側の葉っぱに農薬が付いているので内側を使うといいですね。あと気をつけたいのが輸入品の柑橘系果物(グレープフルーツ、オレンジ、レモンなど)。表面の皮に農薬が多く付着している場合があるので、お子さんに触らせたり、舐めさせたりしないように注意したほうがいいです。しっかり皮をむいて、中身だけ食べる分には大丈夫です。

hitomi 皮ごと食べるマーマレードを作るときなんかは、食材にこだわったほうがいいかもしれませんね。わが家では、輸入品の果物でいうとアメリカンチェリーをよく食べるんです。日本のさくらんぼの半額で買えるので……。そのまま皮ごと食べているんですけど、大丈夫でしょうか?

垣田 しっかり洗ってください。果物にしても、野菜にしても、ぜひ流水で洗っていただきたいです。水の節約のためにボウルに水をため、そこに野菜を入れて一気に洗う方もいますが、農薬や雑菌が流れ出てボウルにたまるので要注意です。ボウルで洗ったとしても、最後には必ず流水で洗うようにしてください。

小さな子どもに生の魚は大丈夫?

垣田 食材全般に関して言うと、小さなお子さんに対しては、加熱して調理することによって様々な細菌が死滅しますので、より安全性は高まります。よく洗った生野菜のサラダ、果物などは大丈夫ですが、焼き加減がレアの肉、生魚は避けたいところ。しっかり加熱することをオススメします。

hitomi お魚については、妊娠中、マグロには有害物質があるので食べすぎるのは妊婦さんにあまりよくないと聞いて気になったことがありました。

垣田 それはメチル水銀という神経系に悪影響を与える物質なのですが、特にマグロ・クジラ・カツオ・カジキなど大型魚は小魚を食べていく食物連鎖の過程で、メチル水銀がどんどん体内にたまっていくんですね。また、魚にはいくつか種類がありまして、タイ・ヒラメ・スズキなどの沿岸魚と、マグロ・カツオ・イワシ・サンマなどの回遊魚があるのですが、回遊魚のほうが同じ所に生息していないため工場排水やダイオキシンなどの汚染リスクは低いと言われています。

 ただ、魚については同じものばかりを食べ過ぎなければ、特に気にすることはないです。毎日毎日、マグロのおすしを食べるとかでなければ。

hitomi マグロのおすしは大好きですけど、さすがに毎日は(笑)。でもそうならないよう、気をつけます!

 ところで先生、子どもが好んで食べるもので、気をつけたほうがいい食品はありますか? イメージ的には、かき氷の派手な色の付いたシロップとかおいしそうに見えますけど、大丈夫なんだろうかと思っちゃいまして。