「中学受験って、どうなの?」という疑問を持ったパパ達に集まってもらい、率直な意見を交わしていただいた座談会。座談会第3回は、社会で働くパパの目から見て、「受験という道のりの先に何があるのか」というテーマで語っていただきます。

第1回「オレ達が中学受験に魅力を感じない理由」
第2回「中学受験させたい妻に問う「覚悟はあるのか?」」

【座談会参加者はこんなパパ達】

Wさん 会社員。子どもは小6の男の子、小3の女の子。自身の両親と完全セパレート型二世帯住宅に暮らす。夫婦ともにフルタイム勤務。Wさん自身、海外出張も多く、家事は8:2か9:1の割合で妻が担当。
●自分の受験歴:小・中と公立、高校も都立、一浪の後、国立大へ。

Mさん 会社員。子どもは3歳、0歳の女の子。自分の実家が片道30分の距離にあり子どもが病気のときはサポートしてもらう。保育園の送りと洗濯を担当。妻は時短勤務中。
●自分の受験歴:小・中・高と地方の公立、大学は国立。

Sさん 会社員。子どもは5歳の女の子。妻は研修医。認定こども園の幼稚園の延長保育を利用し、送り迎えは極力Sさんが担当。毎月、忙しい時期は妻の母親が地方から来てくれる。
●自分の受験歴:小学校受験をするもすべて落ち、中学受験を経て名門中高一貫校、大学は二浪して私立へ。

Oさん 会社員。中2の女の子(私立中学に通学)。 妻は公務員で夫婦ともにフルタイム勤務。家事はほとんど妻が担当する。
●自分の受験歴:小・中・高共に公立で、大学から私立。

【主な内容】
●受験をしないかわりにわが家で教えていること
●学歴差別は確かにある。だけど必要なのはサバイバル力
●子どもは勝手に楽しいものを見つけていく
●受験をするのは中の下になりたくないから
●活躍の場は子どもそれぞれで違う。勉強に限定しなくていい

受験をしないかわりにわが家で教えていること

―― 例えば、受験よりも大事なこと、子どもに親が伝えられることって、どんなことだとお考えですか?

Wさん 「僕は釣りが趣味なので、『男が魚をさばけたらもてるぞ』と、アジのさばき方なんかを教えてます。特に受験に偏る必要はなく、役に立つことを大人が子どもに教えていくことが、子どもの幅を広げていくことになるんじゃないかな。塾に行かせて学力を上げたい、という考えに偏ると、子どもの選択肢を狭めると思うんです」

―― Wさんは、勉強に関しては何も言わないのですか?

Wさん 「うちの子が小学3、4年のときに学級崩壊したこともあり、家庭教師をつけていますが、いつやめてもいい、と話しています。『将来、エンジニアになりたい』と言ったことがあるので、それなら英語とか数学をやれよ、と。やりたいと思っているのにやらないと後悔するよ、ということも説教臭く話しています。でも、それで終わり。何になりたいかはまだ、今のうちから決められるものでもないですから

Mさん 「塾に通わせることが親の安心する材料になっているように思うんですね。でも、大学を卒業し、子どもが一人で生きていける状態になるまでドキドキするのも親の責任じゃないかな。早いうちに安心材料を見つけてほっとするのは無責任ではないかと」

Oさん 「まあ、一時でも安心したいんだよね、親って。でも、子育ては一生終わらないんだなぁ、なんて私は最近実感しています

学歴差別は確かにある。だけど必要なのはサバイバル力

―― この年齢になると学歴は関係ない、というご意見もありましたが、実際のところどうなのでしょう?