「中学受験って、どうなの?」という疑問を持ったパパ達に集まってもらい、率直な意見を交わしていただいた座談会。3回にわたるリアル対談、第1回「オレ達が中学受援に魅力を感じない理由」に続く第2回目は「受験をさせたい」という妻への思いについても語っていただきました。
ママ達は「1ミリでもわが子を上へ」「将来の幅を広げたい」
――みなさんそれぞれのご家庭で、夫婦間での子どもの教育への温度差を感じることはありますか?
Mさん 「中学受験の費用対効果の話(前回の記事)が出ましたが、うちの妻も僕と同様、受験に積極的ではないものの、話をしていると、費用対効果といった視点はないんだろうなと思います。それよりも、妻が考えているのは、学歴を含めて人生の充実度が1ミリでも上に行けばいい、というような感覚でしょうか。例えば、100万円を上乗せして、生涯賃金が10万円増えただけだったとしても、それはそれでいい、少しでも充実させてやりたいと思っているんだと思います。あとは、『子どもの将来に向けて何かしてやらないと』という不安感もあるのかな」
Sさん 「うちの場合、妻に、『なんで子どもに受験させたいの?』と聞くと『将来の幅を広げるため』と言う。それが僕にはよく分からないんですね。ある特定の学校に行くということは、似たような人が集まるところに行くことでもあると僕は経験上思うんです。例えば僕が通った学校ではみんな東大に行くのが当たり前だと思い、そう公言する先生もいました。
もう一つは、最初のお話にもありましたが、公立への不安も大きいようです。本当かどうか知らないけれど、地元の公立は学級崩壊しているから行かせたくない、と。『公立に行ったとして、うちの子が勉強したいと思っても周囲の子に引きずられて勉強できないと、思うような職業に就けなくなって、子どもの将来性を潰すことになる。とにかくよりよい環境に行かせるにはまずは受験だ』と。どうすればいいのかなぁと……」
Wさん 「あのスティーブ・ジョブズは、学生時代に不良だったみたいだけどどう思う?って言ってみたらどうでしょうか」
Mさん 「でも、きっとわが子はスティーブ・ジョブズじゃないと思っているから、受験させたいんですよね(笑)」
Oさん 「ああ、確かに自分の子を低めに見積もる心理というのが母親にはあるかもしれない。うちのかみさんも、『もし中学校が荒れていたらうちの娘は生き延びられないんじゃないか』という発想が強かったからなぁ」
―― なるほど、子どもの行く先の不安をできるだけ取り除きたい、守ってやりたいという思いが受験へと向かわせるのかもしれませんね。そうした環境を与えることについてはいかがですか?