塾が子どもの居場所になっている

Sさん 「普通は同じ塾に週3回とか通うと思うんですけど、うちの親は週イチの個別授業を選んで、いろんな塾に通ってました。自宅は世田谷だったのですが、西日暮里、新横浜、代々木、中野に一人で通ってましたね。中学に入ると、周りはデキる人ばかりで、でも、自分はデキなくて。それで、中3のときに塾をさぼるようになりました。もう、みんなと同じ塾には行けないなと思い、公立高の人が行くような楽な学習塾に行き始めました。その頃には『思っていたのと違う』って思い始めましたね。通っていた学校の生活は楽しかったんですけどね」

Mさん 「なんか、そうやって塾通いする子達って生き急いでいるような気がする。自分の小学生時代なんて、学校から帰ったらランドセル置いて、友達の家で任天堂64をやったり、ワイワイキャイキャイ、日が暮れるまで遊んでいたから」

Wさん 「うちの家の周りも受験率が高くて、小6の長男は帰宅したら遊び相手がいないと言っています。最近は外で遊ぶ子を見つけたようですが、それでも塾に行くから、と16時までしか遊べなかったり。ちょっとかわいそうだなと思います」

Oさん 「ただ、塾は楽しい、と感じている子も多いみたいですね。『お弁当を食べてたら、男子がさぁ』とか『塾の休み時間にこんなことがあった』とか娘が楽しそうに話すのを聞くと、なるほどここがコミュニティなんだなぁと。どろんこまみれで遊ぶような環境ではないけれど、それはそれで、ありなのかなと思う」

Mさん 「結局、子ども達は公園でも塾でも、遊ぶ場所を自分で見つけるんですね

第2回「中学受験させたい妻に問う『覚悟はあるのか』」に続く>

(ライター/柳本 操)