すべては外見がもたらす第一印象から

自分で自分のイメージはなかなか決められない、とコンサルテーションを受ける小田
自分で自分のイメージはなかなか決められない、とコンサルテーションを受ける小田

小林 顔と性格がぴったり一致しているってことよ。もともとの性格からそういう印象を与える顔になったのかもしれないけれど、もしかしたら外見から出発しているかもしれないの。これが性格と外見の深いところなんです。

 外見がそう見えるから、期待されて利発な子を演じていたかもしれない。演じているうちに利発になっちゃったかもしれない。内面と外面が一致してきたという事例だと思います。人間ってそういう不思議な力があるの。

 いずれにせよ、始まりは外見なのよ。

―― なるほど。自分で自分のイメージが定まらなかったので、そうおっしゃっていただくと安心します。

小林 逆に、外見から判断されるままに演じているけれども、性格とは少し違っていてその不一致を不幸に感じる人もいます。あでやかな外見に生まれついたけれど、内面は非常に静かで落ち着いた性格を持っている人です。どうしても顔を見て「元気をくれるわよね、あなた」と人に言われて、ついそういう役回りを演じてしまう。そうすると二重人格みたいになって、家に帰るとイライラしてしまう。

 「あなたの外見は朗らかな印象があるけれども、実はどうなの? 本当の性格もそう?」と聞くと、「違うんです。だから疲れてしまって、家では『おまえは外面ばっかりいい』って言われてしまうんです」と言う。そういう方には、メークで静かな顔を作ります。すると周囲が期待しなくなるから、性格に合った落ち着いた自分になれる。

自分の外見が与える第一印象を知ることが大事

今回、取材で小林さんのコンサルテーションを受けたDUAL編集部、小田舞子
今回、取材で小林さんのコンサルテーションを受けたDUAL編集部、小田舞子

―― やはり第一印象と内面が一致しているほうが幸せ、ということでしょうか?

小林 一致しているほうが、本人にとってストレスがないの。でも、本人が一致していないと知っていれば大丈夫。自分は人からこう見られていると分かっていればOKです。それに、一致していないことからくる意外性も、魅力の一つですよね。おとなしそうな顔だけれども、意外にちゃっかりしている、とか。

 ですが、「なぜか人から愛されないわ」と思っている人がいたとします。そういう人はたいてい、外見にクールな要素がある。心はすごく温かいのに。相手は顔だけで理解しているつもりになっているの、「冷たい女だな」って。そうじゃない温かい側面を表現したい場合は、どうすればいいか?

 一つには、メークで温かみや親しみやすさを出す手があります。あるいは、自分で自分の性格を知っているなら、「私っておちゃめなのよ」と先に自分で言うという手もあります。相手も「お、意外だね」となるわけです。

 ところが、自分の外見が相手にどんな印象を与えているかを知らずに、「誰も私のことを分かってくれない」と悩んでいる人が意外に多い。「ものを言っているのはあなたの外見なのよ。それを知らないのはあなただけなのよ」と私は言うんです。

 面白いですよ、人間の顔って。