お国柄がにじみ出る世界の子育て事情を、各地に住むライターのリレーでリポートしていくこの連載。1回目のインド編、2回目のオランダ編に続いて、第3回は「父親でも堂々と産休を取ることができる」というオーストリアです。産前産後の充実したサポート、魅力的な放課後の預かり制度、カトリック信者なら参加できるサマーキャンプなどについて、オーストリアに35年住んでいたというパッハー眞理さんがお届けします。

夫婦そろって産休を取得

 「音楽の都」のウィーンはオーストリアの首都だ。かつて日が沈むことがないとまで言われ、今でもハプスブルグ帝国時代の面影がたくさん残る美しい国だ。女帝マリア・テレジアは16人の子を持つ母だった。しかし少子化に伴い、国もあらゆる政策に頭を悩ませている。だが、もともと社会保障がしっかりしている国だから、産休や育児面でも充実している。

 育児にはあくまで両親で関わっていくオーストリアでは、育児休暇は父親も堂々取ることができる。いや、取る。もともと、オーストリアの男性は積極的に育児や家事を行う。手の大きな父親が赤ちゃんのお風呂を担当したり、夜中のおむつ替えにミルクをあげたりすることも嫌がらずにやってくれる。給与は最低4カ月の産休の間(実際は母親保護期間、すなわち出産予定までの8週間と産後の8週間。ただし、帝王切開と多胎の場合は産後12週間)が保護期間で80%支払われる。父親は出産後から2週間、有給で育児休暇がもらえる。最大2年間育児休暇を取りさらに「子ども手当」も健康保険組合から毎月支払われる。なお子どもの両親とはいえ、籍を入れていないカップルも多いため、目安は「同居している二人を前提とする」という注釈がある。

3人目の孫の誕生にうれしそう
3人目の孫の誕生にうれしそう

次ページから読める内容

  • 休暇中は会社は解雇できない
  • 妊婦の働く環境が、法律で細かく守られている
  • 共働きにうれしい「ホルト」の預かり制度
  • 教会の「子どもの家」でサマーキャンプ

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