子ども部屋やリビングに積極的に取り入れたい木質内装

 今回の実験が子どもを対象としたのは、疲れ気味の現代の子どもを癒す方法を探るのが目的だった。子どもが長い時間を過ごす空間、つまり子ども部屋に木質の内装を使えば、学校や塾から疲れて帰宅してもリラックスしながら速く回復できたり、勉強するときに集中力を長く保ちやすくなったりすることが期待できそうだ。

「たとえば学習机に木を使うと勉強の効率が上がることが考えられます。また壁に木を使うこともおススメです。凹凸のあるデザインの木質壁材を使うと壁に陰影ができ、照明が適度に柔らかく感じられて目に優しい空間になります」と河崎さん。

壁に木を使うとき、凹凸のあるデザインの木質壁材を使うと壁に陰影ができ、照明が適度に柔らかく感じられて目に優しい空間になる
壁に木を使うとき、凹凸のあるデザインの木質壁材を使うと壁に陰影ができ、照明が適度に柔らかく感じられて目に優しい空間になる

 子どもに癒し効果のある木の部屋は、大人にとっても同様の効果があるはずだ。これから家を建てるなら、子ども部屋はもちろん、リビングなどにも木を積極的に取り入れることを検討してみてはどうだろう。

今回取材に訪れた積水ハウス総合住宅研究所には、一般の人たちが無料で見学できる「納得工房」が併設されている(2~4階)。最新の住宅情報だけでなく、妊婦や高齢者、車椅子での生活を疑似体験できる設備も用意されている(見学には予約が必要。詳しくは<a href="http://www.sekisuihouse.com/nattoku/koubou/index.html" target="_blank">納得工房のホームページ</a>へ)
今回取材に訪れた積水ハウス総合住宅研究所には、一般の人たちが無料で見学できる「納得工房」が併設されている(2~4階)。最新の住宅情報だけでなく、妊婦や高齢者、車椅子での生活を疑似体験できる設備も用意されている(見学には予約が必要。詳しくは納得工房のホームページへ)

子ども部屋づくりの新発想、“学寝分離”のススメ

 子ども部屋というと学習机とベッドが並んでいる配置が一般的なようだが、子どもの性別や人数、ライフスタイルに合わせて、もっと色々な配置があって良いという。河崎さんが提唱するのは、省スペースにもなる学習スペースと就寝スペースを切り離した“学寝分離”の子ども部屋だ。

理想的な「学寝分離」は勉強部屋と寝室を分ける間取りだが、机とベッドのスペースを家具などで仕切るだけでもOKだという
理想的な「学寝分離」は勉強部屋と寝室を分ける間取りだが、机とベッドのスペースを家具などで仕切るだけでもOKだという

「勉強する場所と寝る場所を分けたほうが、学ぶときの集中力が高まり、寝るときにもぐっすりと眠れます。子どもが小さいうちはリビングで勉強し、子ども部屋は寝るだけというスタイルでもいいでしょう」

 理想的なのは子どもの勉強部屋と寝室を分ける間取りだが、そこまでスペースがなくても、机とベッドのスペースを家具などで仕切るだけでもOK。2人以上の兄弟姉妹がいる場合は、2人の勉強スペースと就寝スペースを共同で使えば、部屋は2つで済む。子どもに部屋を与えるときに、ぜひ考慮したいポイントだ。

(文/大森広司、写真/菅野勝男)

■子育てファミリーが暮らす家について、もっと知りたい方は子育て子育ちlabへ