運動嫌いな子なら、親がアクティブになるべき
第1回記事「雨の日は、家の中でできる運動遊びがおすすめ」で紹介した、今年医学博士となった、NHKの番組『おかあさんといっしょ』で10代目体操のお兄さんとして活躍した「ひろみちお兄さん」こと佐藤弘道さんが提案する運動遊び「親子たいそう」。1〜2畳分の室内スペースがあれば遊べ、子どもの筋力や柔軟性に加えて、敏捷性、瞬発力、平衡性、筋持久力、全身持久力を鍛える要素が盛り込まれています。雨の日や夜などに遊ぶのにうってつけです。
家で運動遊びをする回数が増えると、運動の楽しさを知った子どもは、親から離れた場所でも体を動かして遊ぶ回数が増える傾向にあるそうです。また、子どもが身体を動かすことが楽しいと思えるようにするには、親がアクティブにならなければならないとも、佐藤さんは言います。
「運動遊びを続けていくと、子どもたちはさらに活発になります。普段から身体を動かす喜びや楽しさを知らなかった子どもほど大きく変わるのです。そういう意味では、運動嫌いな子ほど、親が頑張ってトライしてみるべきじゃないかと思います」(佐藤さん)
子どもはみな、勝手に身体を動かして遊ぶものだというのは、親の勝手な思い込みなのかもしれません。ちょっとした時間を見つけて、親が運動遊びをしてあげることは、子どもの成長にとって重要なのでしょう。
また「自分が運動が苦手だから、子どもの運動神経も悪いに違いない」なんて言う人もいますが、佐藤さんは「それは絶対に違う」とも言います。
「子どもの運動が得意かどうかっていうのは、遺伝は関係ないんです。育っていく環境のなかで変わってくるものなんだということを忘れないでほしいですね」(佐藤さん)
もちろん「親子たいそう」は、パパもママもどちらでもできる遊びです。「子どもが運動にアクティブになるキッカケを作れるシチュエーションが多いのは、実はママなんですよね」(同)。とはいえ、こういった運動遊びは、パパの得意分野なのかもしれません。
「あくまでも一般論ですが、ママは子どもに安心感を与えるのが上手で、パパは子どもに遊びを伝えるのが得意。遊びはどんどん発展していくものなので、『次はどうしようか?』などと、子どもと会話しながら遊びを広げていくといったことがパパは得意なはずです。新米パパの頃は、どうやって遊ぼうかと悩むでしょうが、子どもから学ぶ姿勢で関わっていけば、自然とどう遊べばいいのかわかってくるようになるでしょう。遊びに決まりはありませんから、親子でアレンジしながら、どんどん楽しい遊びを作っていってほしいですね!」
それではお待たせしました。佐藤さんからアドバイスをいただきながら、おすすめの親子たいそうと、それを実際に娘と遊んでみた体験をお伝えします。今回は、子どものバランス感覚(平衡性)を鍛えるのに役立つ遊びを6つ紹介します。ぜひお子さんと試してみてください!
親もウエストを鍛えられる「あらあらっ、キリンさん」
【遊び方】
親がひざで立って、子どもを肩車する。その後、両手をクロスさせる形で子どものひざをシッカリと押さえ、脇を締めて子どもの足を固定する。親子で左右に身体を傾けてゆらゆらと揺れる。
【佐藤さんのアドバイス】
子どもの平衡感覚やバランス能力を鍛える遊びです。ちゃんとバランス能力のある子だと、この遊びをすると頭が中心に残ります。
親が揺れたときに一緒に頭の位置が中心からズレる場合はふざけて遊んでいるか、肩車に慣れていなくてバランス能力がまだ備わっていないかのどちらかです。ちゃんと頭を中心に残せるようになるまで遊びましょう。
なお、こういった遊びは「キリンさんだよ〜!」などと、世界観を作ってあげながら遊ぶと盛り上がります。また、この動きをすることで、親はお腹の横にある腹斜筋が鍛えられます。身体を後ろにそらすなど、無理な動きをすると腰を痛めるので注意しましょう。
【パパライターの感想】
最初は「キリンさんだよ〜!」と元気に始めたところ、娘は大喜びだったものの、4回ほど左右に揺れたところでウエスト周りの筋肉が限界に……。平衡感覚を養うために肩車はやっているものの、座ったほうが親の筋力はかなり鍛えられそうです(笑)。