安泰と言われる企業でも破綻する正解のない時代に移行した今、求められる能力は情報編集力やつなげる力、そしてユニークネス。その力を養うには「10歳までは思いっきり遊んだほうがいい」という教育改革実践家の藤原和博さん。公立の民間人校長として様々な教育改革を行ってきた藤原さんに直球で聞いてみた。「藤原さん、中学受験したその先に、素晴らしい環境は待っていますか?」。編集長インタビュー前編「藤原和博 中学受験をすると「稼ぐ人」になれるのか?」に続く後編。

私立中学に行けば、新しい教育を受けられる?

【主な内容】
●私立のユニークな教育方針は学力主義ブームと生き残り競争で失われつつある
●中学受験は親の力が9割。共働きで取り組むのは戦線拡大
●中学受験にのめり込むのは、「楽しいから」である
●周囲が過熱する中で「受験しない」という選択は「孤高の人」になるということ

日経DUAL羽生編集長 前回に続き、これからの時代をタフに生き抜くために子どもに身につけさせたい力について聞かせてください。技術革新によって、職業そのものも10年後には大きく変化するだろうと言われています。

藤原 20世紀には読み・書き・そろばんの情報処理型能力という意味での学力がものをいう時代でしたが、これからは処理業務はすべてIT(情報技術)、AI(人工知能)に置き換わるでしょうね。会社の中で事務職が消滅する日もそう遠くはないのではないでしょうか。

―― そういう時代変化の予測も踏まえたうえで、中学受験をする意義について考えてみたいと思います。親も子も必死になって勉強して、手にした合格の先に「素晴らしい教育環境」があるのであれば、やってみる価値はありそうですが…。

藤原 21世紀で求められているのは情報処理型教育ではなく情報編集型教育だという話をしましたが(前編)受験をして私立に行けば、新しい教育が受けられるというイメージがありますよね。

―― あります!

藤原 残念ながら、それがそうでもなくなっているというのが僕の実感です。

次ページから読める内容

  • 私立独自の建学の精神が今、消えかかっている
  • 中学受験は親の力が9割 共働きにはハードルが高い
  • なぜ、中学受験がブームなのか?―「楽しいから」
  • 過熱ムードの中で「わが家は受験しない」=孤高の人になる

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