年齡が上がるにつれて、どんどん増えていく子どもの持ち物。幼児期はおもちゃがメーンだけど、小学生になれば学校用品に習い事グッズと、ジャンルも広くなるため、成長すればするほど家が散らかりやすくなります。子どもがいてもすっきりした状態を保っていくにはどうしたらいいのでしょう。収納上手になれるグッズとは? 子ども部屋レイアウト変更・収納特集の最終回では、整理収納コンサルタント、そして2人の男の子の母でもある澁川真希さんに、秘訣を伺いました。

<目次>
●小学校入学前に片付け習慣を
●一人で片付けられる仕組みづくり
●学校関連の物、プリント類の置き場所の見直し法
●外出アイテム、おもちゃ、思い出の品…収納のコツ

小学校入学前に、片付けの習慣をつけるのが理想的

 澁川さんは、小学5年生と中学1年生の男の子の母。2人とも小学校に入る前から当たり前のように片付けをしてきたので、学校から帰ったら通学カバンを決まった場所に置き、使った物は元あった所に戻す…といったことがごく自然にできている。

 「片付けを始めるタイミングは、早ければ早いほどいいと思います。小学校高学年くらいで片付けを身に付けさせようとすると、子どもに『やらされている』と受け取られやすい。わが家の場合は、3歳くらいから『このおもちゃ、元の場所へもどしてあげようか』と促していました。一緒におもちゃを片付けてみて、『すごいね、できたね!』『スッキリして気持ちいいね』と伝える。親が褒めたり、気持ちを伝えたりすることを繰り返すことで子どものポジティブな気持ちが育ち、積極的に片付けができるようになるんです」

 忙しいと「自分で片付けてしまったほうが早い」という理由で、ついつい親がやってしまいたくなる。しかし、片付けられる子に育てたいのなら、手を出し過ぎるのは禁物。

 「いきなり子ども一人では片付けられないので、最初は親が手本を見せながら一緒にやってみる。やり方を覚えたら親は見守りに徹し必要に応じて声掛けし、大丈夫そうだと思ったら完全に一人でやらせてみましょう。初めは親も根気が必要。でも、就学前に頑張っておけば、小学生になるころには親も子も片付けに対するストレスは減っていきます。

 子どもに片付けを教える目的は、単に部屋をきれいにするためではなく、その子の未来をよりよくするためだと私は思っています。日々片付けをしていると、ちょっとしたことに気が付くようになるし、どこに何を置いたら使いやすいか、考える力もつく。気持ちよく暮らせる場所が得られて情緒も落ち着きますし。メリットは計り知れません」

子どもが片付けられる“仕組み”をつくる

 子どもは片付けが苦手なものだと決め付けている親もいるが、それは誤解だと澁川さん。「学校や保育園だと、ちゃんとできていますよね。学校や保育園では物の定位置が決まっていて、余分な物が無いため、片付けやすいんです」。つまり、家でも片付けやすい仕組みさえつくってあげれば、子どもも片付けができるようになるということ。

 「仕組みといっても難しいものではなく、子ども目線になって、物を出しやすく、かつ戻しやすい状態にしてあげればいいだけ。そのためには、分類を複雑にしないこと、物の数を厳選すること、定位置を決めること、が重要。定位置は、リビングで使う物はリビングに、子ども部屋で使う物は子ども部屋に、というように使う場所に設定するのが基本です。引き出しやフタを開けたり、部屋を移動して片付けたりするのは大人でも面倒なこと。動線も方法も、できるだけシンプルにすることを心がけましょう」