子どもの成長に伴って部屋をレイアウト変更するのは、最近では一般的なこと。とはいえ、大掛かりなリフォームはコストと労力がそれなりにかかるので、なかなか踏み切れないという人は多いのでは。そこで、住宅リフォームコンサルタントのYuuさんに、失敗しない子ども部屋づくりのためのポイントや、レイアウト変更のアイデアを伺ってみました。まず前半では、子ども部屋プランを立てるときにぶつかりがちな悩みについてのアドバイスをお届けします。
ポイント1. 焦らず、子どもの成長具合を見ながら用意して
――日経DUAL編集部 子ども部屋が必要になるのは何歳くらいからでしょうか?
成長具合によるので一概には言えませんが、小学校入学時が一つの目安です。一人で寝るようになったら用意してあげたらいいのではないでしょうか。ただ、小学生のうちは、部屋を与えても勉強はリビングでして、自室は寝るときだけ使う…というお子さんがとても多い。また、子どものうちは、部屋に籠って一人で勉強するよりも、人とコミュニケーションを取りながら勉強をしたほうが、記憶に残りやすいという説もあります。
そう考えれば、お子さんが親と寝るのを嫌がらないうちは、焦って部屋を用意する必要はないと思います。リビングに勉強用のスペースを確保しつつ、その子の成長具合を見ながら、個室を与える時期を見極めましょう。
ポイント2. 子ども部屋は最小限かつ柔軟に。空間も活用して
―― きょうだいがいる家庭など、子ども部屋は人数分つくるべきでしょうか?
仮に2人きょうだいだとしてそれぞれに個室を与えてしまうと、彼らが巣立ったときに、めったに出入りしない“開かずの間”が2つもできてしまいます。家にデッドスペースができるのはもったいないですし、人が使わない部屋は傷みやすいという問題もある。「子どもが自立したタイミングでリフォームする」と言う方もいますが、50〜60歳になってからリフォームするというのは、なかなか大変なこと。人数分部屋をつくったはいいけれど、子どもの独立後にリフォームするのも面倒になり、使わなくなった子ども部屋を放置している人が少なくありません。
子育て世代の人が、将来の家族構成の変化まで視野に入れた家のプランニングをするならば、子ども部屋が必要な期間はそれほど長くはないということを念頭に。子ども部屋は最小限にしておき、そこをフレキシブルに使える空間にしておくのが得策です。
理想的なのは、広めの、左右に分けられる空間。7.5畳程度確保できれば、きょうだいが増えたときにパーテーションや間仕切り家具で仕切って、成長に合わせてアレンジすることができます。スペースに余裕がない場合は、空間を立体利用しましょう。レイアウト変更や家具の選び方次第で、6畳の部屋も十分に機能する2人部屋にアレンジすることが可能です(※子ども部屋の上手な分け方は、後半で詳しく説明します)。
では次ページから、子ども部屋をつくるのに適した場所や、家にスペースが無い場合の方法などについて述べていきます。