子どもの病気や感染症など、共働き家族が乗り越えるために知っておきたい情報を解説する「共働き家庭の子どもの病気講座」。今回は、春から夏にかけて増加する「アタマジラミ」について解説します。アタマジラミと聞くと、「不衛生にしているのが原因では」、「アタマジラミが病気を媒介するのでは」といった誤解から、感染していることを人に言えず、園や学校で広めてしまうことがあります。

 アタマジラミは、どんなに清潔にしていてもうつるときはうつってしまうもの。正しい知識を持っていれば、早期に気づき、迅速に対応することができます。

 こんにちは、阿真京子です。夏にかけて保育園の幼児クラスや学童クラブの低学年ではやるといえば、アタマジラミ。頭や身の回りのものから、他の人の頭にアタマジラミが移動することによってうつります。特に低年齢層に多く見られ、かかった人の8割は8歳以下だそうです(東京都福祉保健局調べ)。

 アタマジラミは頭髪に寄生し、頭皮から吸血して強いかゆみを引き起こすのが特徴です。頭と頭をくっつけて遊んだり、布団を並べて寝ていればうつります。また、タオルやブラシ、帽子の共用でもうつることがあります。気づかないうちに、家族中が感染していた、ということもあります。

(出典)東京都福祉保健局 アタマジラミ対策パンフレット
(出典)東京都福祉保健局 アタマジラミ対策パンフレット

 次ページでは、アタマジラミの見分け方やうつったときの対処法をご紹介します。

見た目はフケと類似 強力にくっついて簡単に取れないのがシラミ

【アタマジラミってどんなもの?】

 卵はフケと似ていますが、指でこそぎ取るようにしないと取れないほど髪にがっちりと付着しているのが特徴。フケのようにサッと取り払えないものは、アタマジラミの可能性を疑います。

 アタマジラミは、卵→幼虫→成虫の順で成長し、卵から約1週間で成虫になります。幼虫と成虫は約2〜3mm、卵は約0.5mmの大きさです。幼虫と成虫は頭部を動き回ります。羽はないので、飛んだり跳ねたりはしません。

(出典)東京都福祉保健局 アタマジラミ対策パンフレット
(出典)東京都福祉保健局 アタマジラミ対策パンフレット

 アタマジラミは人の頭部に寄生し、頭皮から吸血します。吸血された箇所が、かゆくなります。初期には自覚症状のない子どもも多いようですが、寄生する数が増えると、 次第にかゆがるようになります。頭皮をかき過ぎて炎症を起こす場合もありますが、アタマジラミから病気がうつることはありません。

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